本紙掲載日:2024-01-06
(1面)

2024年新春インタビュー(2)−読谷山洋司延岡市長

先端技術で魅力あるまちに−アスリートタウン再構築へ

−−昨年はどのような一年でしたか。

企業への奨学金返還支援の拡充や介護・保育人材の確保支援、障害者雇用の奨励補助金、教育分野で県内初のオンライン学習支援、学びの多様化学校、英語教育など、「人への投資」に力を入れた一年でした。
空白地域への避難所整備、シニアの方がマイカーに頼らず生活できるよう公共交通の充実、障害福祉分野の新たな総合支援拠点施設(松山町)の基本構想策定など、「安心の創造」にも力を入れてきました。
その結果、IT企業の進出が相次ぎ、赤ちゃんの数が増えてきたという大変うれしい動きもあります。25〜39歳の人口増も実現できており、広い分野に効果を波及させることができたと感じています。

−−医療体制づくりはどう進めますか。

県や大学病院に医師の確保や派遣をお願いするだけでなく、新たな取り組みを通じ医療分野でも魅力あるまちにしていく必要があります。その意味で「空飛ぶクルマ」の救急医療や災害医療への活用を全国に先駆け打ち出し、国も強力な財政支援を決定してくれましたし、県病院や宮崎大学医学部とも連携しています。
3月には九州保健福祉大学周辺で有人飛行実験も予定しており、より関係者、市民の皆さまにご理解いただくことで、まちを挙げて医師不足解決に向けた歩みを進めていきたいと思います。

−−防災づくりにはどう取り組まれますか。

「逃げ遅れゼロ」を実現するため新たに4地区に避難所を整備し、水害対策では浸水センサーを設置して早めの避難につなげ、予備支援員制度を設けて行政の災害対応力を強化します。
一方、「たどり着けば何とかなる」という避難所づくりのため、水と食料の備蓄だけではなく、緊急時の生活必需品確保が重要です。日本を代表する物流企業、慶応義塾大学と連携して災害物流システムを構築しており、今年は避難所までの「ラストワンマイル」を埋めていきたいと思います。

−−経済対策についてお聞かせください。

物価高対策として、2月中旬からすべてのご家庭に5千円の商品サービス券を配布するよう動いています。国の予算も活用し、絶えず対策を検討していきます。
大変順調な成果を挙げているロボット稲作での米粉生産を高齢化する農村地域にも広げ、それをできるだけ小麦粉代わりに使ってもらう流れもつくっていきたいと思っています。

−−最後に新年の抱負をお聞かせください。

3年半後の国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会に向け、必要な施設整備と道路改良でアスリートタウンの再構築を大いに進め、各スポーツ施設と歴史文化ゾーンのにぎわいを中心市街地につなげる「西から東へ」の人の流れをつくっていきたいと思います。
この2年で国からスマートシティ、脱炭素先行地域、SDGs未来都市にも選ばれ、強力な財政支援を頂いていますが、今年はその効果を市民の皆さんに実感していただけるよう頑張ります。

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