本紙掲載日:2024-01-13
(6面)

伝統の中に現代的な感性

本田宗也さん(福岡市在住)の「創作雛人形展」

◆21日まで、ギャラリーかわなか

 人形師・本田宗也さん(64)=福岡県福岡市在住=の「創作雛(ひな)人形展」は21日まで、延岡市伊達町のギャラリーかわなか(川中啓二代表)で開かれている。入場無料。

 人形はすべて陶製。イメージした作品に合わせて成形したものに火を入れ、いわゆる素焼きの状態にした後、顔料などを使って手描きで丁寧に色付けを行っている。5センチほどの手乗りサイズのものや、存在感のある40センチ超えの作品もあり、一つ一つ表情の異なる約40点を展示している。

 本田さんと20年以上の付き合いがある川中代表によると、人形の作り方は本田さんの出身地の福岡県で有名な博多人形にかなり近い。「(本田さんの)お父さんが博多人形の伝統工芸士なんです。直接教わったことはないそうですが、自然と同じものに引かれたのかもしれませんね」と背景を語る。

 また、今回展示しているのは男女一対の「内裏びな」や今年のえと「辰(たつ)」など伝統的なモチーフの作品だが、その色使いは現代的。川中代表は「普段、本田さんが取り組む『現代工芸』が影響しているのでは」と話す。本田さんの作品は、抽象的な表現をしたものが多く、日本最大の総合美術展覧会「日展」で特選受賞、日本現代工芸美術展では審査員も務めるなど活躍を続けているという。

 色鮮やかさと上品さが絶妙なバランスで表現された作品たちが来場者に心温まる空間を提供。川中代表は「伝統的なモチーフの中にも現代的な感性を取り入れた人形作品を楽しんでいただきたい」と来場を呼び掛けている。

 開場は午前10時~午後6時。18日は店休。問い合わせは同ギャラリー(℡延岡32・4036)まで。

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