本紙掲載日:2024-01-15
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完熟キンカン「たまたま」−販売解禁

〃エクセレント〃1キロ1万円の高値

 生で皮ごと食べておいしい県のブランド果実「みやざき完熟きんかん『たまたま』」の販売が15日一斉に解禁となり、全国主要取引市場でPR活動が行われた。延岡市牧町の延岡綜合地方卸売市場でも初競りが行われ、JA高千穂地区から持ち込まれた最上級品「たまたまエクセレント」に1キロ1万円の高値が付くなど、ご祝儀相場での取引となった。

 たまたまは、樹上で210日以上完熟させたキンカンで、甘く、生で、皮ごと丸かじりできるのが特徴。直径2・8センチ以上、糖度16度以上という基準を満たしたもののみが「たまたま」を名乗ることができ、直径が3・2センチ以上で糖度が18度を超えた選び抜かれたキンカンが、最上級品「たまたまエクセレント」となる。

 けさは同市場のほか、宮崎市中央卸売市場、東京青果、大果大阪青果、福岡大同青果の全5会場で生産者や関係者によるPR活動が行われた。

 延岡綜合地方卸売市場には、JA高千穂地区、JA尾鈴、JA日向から合わせて約460キロが持ち込まれた。

 JA高千穂地区果樹振興会きんかん部会の一水秀樹部会長は「しっかり選果して安心安全なキンカンを出荷します」とあいさつ。JA尾鈴の河野美敏部会長は「夏の天候に恵まれ、例年より糖度が高いキンカンに仕上がりました」とアピールした。

 買い受け人は試食用のたまたまを口に運び「甘いね」と、今年の出来を確認。エクセレントから始まった初競りは、競り人の威勢の良い掛け声に引かれるようにテンポ良く進んだ。

 JA宮崎経済連によると、着果数は平年並みだが、9月以降の干ばつや冬場の高温の影響で玉肥大が鈍くなっている部分があり、若干の小玉傾向。

 県内231戸で生産し、約1117トンを出荷する計画という。ピークは1月下旬から2月中旬の見込みで、3月ごろまで出回る。

 また同市場には、キンカンでの新規就農を志す農家の姿があった。販売解禁の様子を見学に来た池田裕希さん(40)=高千穂町三田井=は、やりがいのある仕事を求めて、農業に注目。昨年から研修を続けており、来年から地元高千穂での本格始動を目指している。

 「まだ自分でやり始めているわけではないので実感は湧きづらいですが、これからの研修で勉強し、少しでも多くのものをつかんでいければ」と意気込んでいた。

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