本紙掲載日:2024-01-16
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2024年新春インタビュー(9)−黒木保隆椎葉村長

道路改良と創意で観光振興−UIターン支援制度など拡充

−−昨年は「復興元年」と位置付け、インフラの復旧整備と産業の発展を掲げました。

インフラ整備の進捗(しんちょく)は、村道で164件中152件、林道は109件中84件、農地は44件中36件。発注率は箇所ごとですが、85・8%となっています。ただし完成件数は101件の31・8%です。
職員をはじめ業者の皆さんの努力により、復興元年のインフラ整備は、しっかり目標達成できたと感じています。しかし、産業の発展については、災害復旧工事の完成が待たれる中、物流の停滞や物価高騰などの影響を受けており、思うような発展につながっていないのが現状です。

−−Uターン・Iターンの支援は好調のようですね。

Uターン・Iターン支援は、地域おこし協力隊への希望(Iターン)が多く、昨年12月と今月で9人の面接試験を実施します。現役隊員は7人です。
今回も北海道や関東、関西から応募があり、応募者のレベルが高くてうれしい半面、募集要項ごとに定員があるので全員を受け入れられないのが残念です。協力隊の皆さんによる椎葉魅力の発信がUターンにもつながっていくことに期待感があります。
とはいえ、実のところ長期計画における人員枠には足りていません。住宅不足の不安もありますが、今後も力を入れていきます。

−−昨年は4年ぶりに平家まつりが開催されました。

4年ぶりの開催は、持続可能な祭りにしていくために、これまで3日間開催だったものを2日間開催に大きくかじを切りました。多くの未経験の若い職員たちを配置する状況で心配もありましたが、ベテラン職員の指導体制も整っており、無難にこなしたのかなと思います。
道路状況の影響で公共交通機関が利用できない中、延べ1万2千人が足を運んでくれました。祭りに来ていただいた皆さんのおかげで盛り上がった「新平家まつり」になりました。2日間のスケジュールにさらに磨きをかけて前進していこうと思います。
一方、この10年間で旅館民宿営業件数が25軒から14軒に激減しています。これからの観光に向け、事業継承支援や簡易宿泊、ゲストハウスといった形態を模索する必要を感じています。
道路改良が順調に進んで、ますます観光需要は高まっていくと思われます。人口減少も進んでいるので、創意工夫によって、さまざまな産業と連携していくと共に、現在進めている観光振興計画をベースに取り組みを進めていこうと思います。

−−新年の抱負をお願いします。

まずは、災害復旧早期完成を目指していきます。これまで進めてきた「UIターン支援制度」「子育て支援の拡充」「造林従事者支援」の3本柱に、「高齢者福祉の充実」と「住宅不足の解消」を加えて5本の柱を推進していきます。
これには「2024年度重点施策の推進方針」のもと予算特別枠を設けて、予算編成に取り組みます。

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