本紙掲載日:2024-01-17
(3面)

スイートピー5品種を新開発

新開発された5品種のスイートピー

県総合農業試験場−安定的な生産に期待

 県総合農業試験場は16日、日照不足でも育つなどの特徴があるスイートピー5品種を新開発したと発表した。安定的な生産と栽培作業の省力化につながり、日本一を誇る産地のさらなる発展が期待される。

 新品種は、花にはけ目状の斑紋を持つ桃色の「恋かすみ」、藤色の「藤かすみ」、紫色の「詩(うた)かすみ」、日照不足でもつぼみが落ちにくい桃色の「さくやひめ」、巻きひげを摘み取る必要がない紫色の「ムジカ式部」。

 かすみ3品種は珍しい色と模様で高い需要が、ムジカ式部は10アール当たり416時間の労働時間削減が期待され、県内全域に普及したい考え。さくやひめは、日照不足の影響を受けやすい中山間地域を中心に普及する予定。

 開発に最も時間がかかったのは「宮崎サニーピーチ」と「桜川」の交配によるさくやひめ。国内で初めてつぼみの落ちにくさを求めて育成されており、12年を費やした。かすみシリーズは11年、ムジカ式部は9年を要した。

 新品種については、一大産地である日南市をはじめ、門川町や諸塚村など県内各地の農家28戸が5品種のいずれかを栽培。農家からは「栽培しやすい」と好評で、本年度は計148万本程度の出荷を見込んでいる。

 同試験場によると、いずれも2021年の出荷量は約2900万本、産出額は約8・4億円、作付面積は約15ヘクタール。どの項目も統計を始めた1997年から、25年連続で日本一だという。

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