師走祭り「上りまし」−美郷町南郷

迎え火の中、神門神社に到着

◆２１日は別れの「下りまし」

　朝鮮半島「百済」の王族伝説に由来する「師走祭り」が美郷町南郷の神門神社を中心に開かれている。初日の昨夜は、木城町の比木神社一行を壮大な炎で出迎える「迎え火」が行われ、町内外から訪れた大勢の見物客を楽しませた。

　「上（のぼ）りまし」と呼ばれる初日は、比木神社の一行が日向市の金ケ浜で「海中みそぎ」をした後、次男・華智王（かちおう）が祭られている同市東郷町の伊佐賀神社で神門神社の一行と合流した。

　午後６時すぎ、スギや竹で作られた高さ約５メートルのやぐら２４基に次々と点火し、迎え火がたかれた。

　御神幸行列は、燃え盛る炎で辺り一面が赤く照らされるなか、見物客に見守られながら神門神社近くの一本鳥居に到着。神門神社境内でのお着きの儀を営み、初日の祭事を締めくくった。

　２日目の２０日は、王族を助けたといわれる地元の豪族「ドンタロ」さんを祭る塚でのお礼祭り。小丸川での洗濯行事や野焼き、夜神楽奉納などがある。

　最終日の２１日は「下（くだ）りまし」。午前１１時ごろから、神門神社境内で悲しみを隠すために顔にすすを塗る「ヘグロ塗り」の後、「おさらばー」と叫びながら比木神社の一行を見送る別れの行事がある。