本紙掲載日:2024-02-06
(3面)

布のおもちゃ作成グループ「さくら草」解散

思いを受け託された布のおもちゃを囲んで。前列左から甲斐理事長、矢野会長

「teとteの会」に作品託す−日向

◆「安心してお任せしたい」

 布のおもちゃを手作りし、保育園などに無料で貸し出してきた日向市の「布のおもちゃ作成グループさくら草」(矢野盈げ馗后会員12人)はこのほど、会員の高齢化などを理由に解散。会員たちの思いを受け、その作品の活用が同市のNPO法人teとte(てとて)の会(甲斐麻央理事長)へ託された。

 さくら草は2001年、「目に障害のある人も楽しめるおもちゃを作りたい」と市の補助を受け、市文化交流センター内「さんぴあ」で講座を企画したことを機に結成。その後、拠点をさんぴあから市内の矢野会長(79)宅に移した。

 布絵本、指人形、エプロンシアターなど、これまでに100種類以上を作成。視覚障害児者だけでなく赤ちゃんも楽しめるよう、作品の多くに鈴や笛が取り付けられ、押したり動かしたりすると音が出る仕掛けになっている。

 市内の保育園、幼稚園、高齢者施設などに無料で貸し出してきたほか、作成指導にも取り組んできた。また、08年にはデイリー健康福祉事業団(夕刊デイリー新聞社内)の助成を受け、保育園など市内19施設に知育遊び用の作品を贈った。

 23年間の活動を振り返り「私たちはチクチクと針を運ぶことが大好きで、手に取ってくださった方々から寄せられる感想が、さらに思いを強くしてくれた」と会員たち。高齢化で新しい作品を作成することが難しくなったことなどから、先月末での解散を決めた。

 解散に当たり、単に作品を譲るのではなく、貸し出しまで引き継いでくれる拠点を探していたところ、その思いにteとteの会が共鳴した。

 teとteの会は、同市財光寺で重症心身障害児者や医療的ケア児者のための多機能型事業所を運営している。甲斐理事長(53)は「しばらくは、さくら草の皆さんにお手入れの方法などを教わりながら、貸し出しはもちろん、さらに発信して活用していけたら」と話す。

 一時は市外の事業所に託すことも考えていたという会員たち。「同じ地域で思いを受け止めていただき本当にありがたい。安心してお任せしたい」と喜んでいる。

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