本紙掲載日:2024-03-13
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稚アユを野鳥から守る−五ケ瀬川漁協

中央の魚道で作業する五ケ瀬川漁協の組合員

岩熊井堰で対策作業

 川を遡上(そじょう)する稚アユを野鳥の食害から守るために、延岡市の五ケ瀬川漁協(吉本祐一組合長)は12日、同市の下三輪町と貝の畑町を流れる大瀬川の岩熊井堰(いせき)で対策工事を行った。

 延岡市野生鳥獣被害対策協議会の事業として毎年この時期に組合員が参加して実施。貴重なアユ資源を守るために効果を上げている。

 長さ約261メートルの岩熊井堰には三つの魚道があり、このうち遡上するアユの数が一番多い中央の魚道に30本以上の鉄筋を設置。その間に釣り糸を張ってカワウやサギなどが稚アユを捕れないように工作した。

 鉄筋にはピンク色のリボンが結んであるが、これは人に鉄筋の位置が分かるのと同時に、鳥よけにもなるという。

 稚アユの遡上は今月上旬から既に始まっており、作業した組合員は「上流の天下町付近ではカワウの集団が虎視眈々(たんたん)と稚アユを狙っています。カワウは水に潜ることもできるので、対策をすることで、一匹でも多く日之影側に遡上させたい」。

 吉本組合長は「去年の今ごろは既に遡上するアユの姿が多く見られたが、今年はまだ少ないようです。一方で、下流の大貫町、三須町辺りで見られる稚アユはサイズが大きいので、食害から守って本格的な遡上が始まれば、解禁のシーズンは期待して良いのでは」と話している。

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