本紙掲載日:2024-04-10
(3面)

デイリー健康大学日向会場(中)

講座では「もしものための話し合いもしバナゲーム」を体験。眄弍…后丙犬ら2人目)も一緒に、それぞれの思いに耳を傾けた

「私の人生、最期まで私らしく!みんなでやってみよう人生会議!」日向たかいしクリニック・眄仗親疆猶…

◆終末期、約7割が意思決定できず−家族や周囲の人と思いの共有重要


 また、よく話題になるのが、延命治療についてです。できるだけ延命治療を受けて長生きしたいという人、いや、延命治療は受けたくないという人、そもそも延命治療って何ですかという人もいらっしゃると思います。

 延命治療の定義はさまざまあります。病状や衰弱が進んで、治療や回復の見込みがなく、やがて死を迎える段階を「終末期」と言いますが、その段階でいろいろな技術を用いて生命の維持を図ろうとすることを「延命治療」と言うことが一般的です。

 では、延命治療を受けたいか、受けたくないかも含め、いざという時、自分の思いを伝えることはできるでしょうか。実は、いざという時、70%の人が自分で意思決定ができないと言われています。

 つまり、意識がぼんやりしていたり、もしくは認知症などがあって適切に答えられなかったり、いろいろな理由があって、いざという時、70%の人が意思決定ができない状況にあるということです。
 
 だからこそ大事なのは「元気なうちに人生会議をしておこうよ」ということなのです。いざという時のために、自分がこうしてほしいな、ああしてほしいな、ということを前もって考えて、話し合っておきましょう。

 自分だけで決めていても、それは伝わりません。どこかに書いておいても、それがちゃんと伝わるかは分かりません。書いたものを家族が見つけたとしても「これ、いつ、どんな状況で書いたんだろう」「これ見ただけじゃ、お父さんの気持ちは分からん」となってしまいます。

 だから一緒に、家族で話し合っておきましょう。場合によっては医療者、介護に関わる人など、みんなで話し合って共有しておきましょう。そうしておくと、いざという時も「ああ、そう言えば○○さん、ああ言ってたもんね」となります。共有しておくことが、やはり大事になってきます。

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 ここからは皆さんに、カードゲームを使った「人生会議」を体験してもらいます。「もしものための話し合いもしバナゲーム」です。

 「あなたの余命はあと半年。何を大切に過ごしたいですか」という設定で、35枚あるカードの中から、自分にとって大切なカードを5枚集めていきます。カードには「お金の問題を整理しておく」「家族と一緒に過ごす」「痛みがない」などが書かれています。ではグループをつくって、早速ゲームを始めましょう。

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 このカードゲームは、もともと米国で作られているため、日本になじみのない内容のカードも何枚か含まれていますが、先ほど「このカードはよく出来ている」と声が上がったように、いろいろとよく考えられています。

 どの内容もとても大事なのですが、特に大事だと感じたカードを今回、皆さんに選んでもらいました。この選んだ内容を今度は、家族など他の人に伝えましょう。それこそ、まさにきょうのテーマ「人生会議」です。

 実際に「人生会議をしてみようよ」と言われて、向き合って「さあ、やろうか」というのは、なかなか難しい。なので、こういうカードゲームなどの道具を使って、自分の思いを伝えられるといいのかな、自分らしく過ごせる準備を進めていけるといいのかなと思います。

 また、人間の考えは変わります。当たり前です。5年前に言っていたことと、今言うことは違う。昨日言っていたことと今日言うことも違うかもしれません。だからこそ日頃から家族やいろいろな人たちと思いを共有し、定期的に人生会議をしておくことをお勧めします。

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