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「がん検診について」板野内科・胃腸科医院・板野晋也医師
◆検診受診率、北欧は日本の倍、死亡率も減少−早期に見つけ、早期に治療へ 国立がん研究センターが発表したがん罹患(りかん)者数、死亡者数の順位を見てみましょう。 男女合わせた罹患者数の上位3位は「大腸がん」「肺がん」「胃がん」。おそらく皆さんがよく耳にするがんは、これらではないでしょうか。 ただし男女別で見ますと、男性の罹患者数1位は「前立腺がん」、女性の罹患者数1位は「乳がん」と、いずれも先ほどの上位3位をのけて、性差のはっきりとした病気がランクインしています。 半面、この前立腺がん、乳がんは「死亡者数」で大きく順位を下げます。男性の順位では、前立腺がんはそもそも5位以内に入っていませんし、女性の順位で乳がんは4位まで順位を下げています。 ここから分かることは、前立腺がんや乳がんは治療すれば生存率がある程度望める病気。加えて、早期に見つけやすい病気であるということです。 一方、このグラフを見てお気づきかもしれませんが、罹患者数順位で上位に入っていなかった二つのがんが、死亡者数では上位を占めています。それが女性3位、男性4位、男女計4位の「すい臓がん」。また男性5位、男女計5位の「肝臓がん」です。 この二つは、かかった人が少ないにもかかわらず死亡者数の多いがん。治療が難しく、特に早期発見が困難ながんということです。 これまで私は、がん検診について話してきましたが、その中でこの「すい臓がん」「肝臓がん」という言葉は一切出てこなかったと思います。それはなぜかというと、費用対効果と人体への影響を考えた上で早期に発見する方法がまだ確立されていないからです。 すい臓がんと肝臓がんの早期発見、治療を進歩させることは、がん死亡率を下げるための大きな課題であり、今後の研究が非常に待たれるところです。 ▽▽ 国民生活基礎調査(健康法)によると、69歳以上の方々の過去1年以内のがん検診受診率は、肺がん検診が49・4%、大腸がん検診が44・2%。時間や受診費用を理由に、半数以上の方が検診を受けられていません。また日本には、受診率を正確に把握するシステムもありません。 こうした場合、やはり重要となってくるのは国や地域のサポート。イギリスや北欧では「組織型検診」というやり方が国策として導入されています。 これは、有効性が確立されている「子宮頸(けい)がん検診」「乳がん検診」「大腸がん検診」の三つを、個人単位でしっかりと国が支援する取り組みです。どの地域の何歳から何歳までを検診の対象とするのかを国が明確化し、予約などの事務手続きも徹底的にサポートします。 また、検診でがんが疑われた場合には精密検査までサポートします。がん登録、死亡登録などと突き合わせたがん検診の評価体制も確立されていて、導入したイギリス、北欧では現在、がん検診受診率が日本のおよそ2倍、死亡率も顕著に減少しています。 がんにかかること自体は、もうどうしようもないことなのですが、10年後、20年後、日本でもこういった検診が行われていくと、がん死亡率は下げていくことができると思います。 がんを早期に見つけて早期治療介入することが、患者さん本人のその後のQOL(生活の質)、心的ストレスを和らげる意味でもとても大切です。まずは気軽にがん検診を利用していただき、検診で引っかかった場合も「ここの段階で見つかって良かったんだ」とポジティブに捉えて、精密検査までしっかり受けていただきたいと思います。
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「がん検診について」板野内科・胃腸科医院・板野晋也医師
◆検診受診率、北欧は日本の倍、死亡率も減少−早期に見つけ、早期に治療へ
国立がん研究センターが発表したがん罹患(りかん)者数、死亡者数の順位を見てみましょう。
男女合わせた罹患者数の上位3位は「大腸がん」「肺がん」「胃がん」。おそらく皆さんがよく耳にするがんは、これらではないでしょうか。
ただし男女別で見ますと、男性の罹患者数1位は「前立腺がん」、女性の罹患者数1位は「乳がん」と、いずれも先ほどの上位3位をのけて、性差のはっきりとした病気がランクインしています。
半面、この前立腺がん、乳がんは「死亡者数」で大きく順位を下げます。男性の順位では、前立腺がんはそもそも5位以内に入っていませんし、女性の順位で乳がんは4位まで順位を下げています。
ここから分かることは、前立腺がんや乳がんは治療すれば生存率がある程度望める病気。加えて、早期に見つけやすい病気であるということです。
一方、このグラフを見てお気づきかもしれませんが、罹患者数順位で上位に入っていなかった二つのがんが、死亡者数では上位を占めています。それが女性3位、男性4位、男女計4位の「すい臓がん」。また男性5位、男女計5位の「肝臓がん」です。
この二つは、かかった人が少ないにもかかわらず死亡者数の多いがん。治療が難しく、特に早期発見が困難ながんということです。
これまで私は、がん検診について話してきましたが、その中でこの「すい臓がん」「肝臓がん」という言葉は一切出てこなかったと思います。それはなぜかというと、費用対効果と人体への影響を考えた上で早期に発見する方法がまだ確立されていないからです。
すい臓がんと肝臓がんの早期発見、治療を進歩させることは、がん死亡率を下げるための大きな課題であり、今後の研究が非常に待たれるところです。
▽▽
国民生活基礎調査(健康法)によると、69歳以上の方々の過去1年以内のがん検診受診率は、肺がん検診が49・4%、大腸がん検診が44・2%。時間や受診費用を理由に、半数以上の方が検診を受けられていません。また日本には、受診率を正確に把握するシステムもありません。
こうした場合、やはり重要となってくるのは国や地域のサポート。イギリスや北欧では「組織型検診」というやり方が国策として導入されています。
これは、有効性が確立されている「子宮頸(けい)がん検診」「乳がん検診」「大腸がん検診」の三つを、個人単位でしっかりと国が支援する取り組みです。どの地域の何歳から何歳までを検診の対象とするのかを国が明確化し、予約などの事務手続きも徹底的にサポートします。
また、検診でがんが疑われた場合には精密検査までサポートします。がん登録、死亡登録などと突き合わせたがん検診の評価体制も確立されていて、導入したイギリス、北欧では現在、がん検診受診率が日本のおよそ2倍、死亡率も顕著に減少しています。
がんにかかること自体は、もうどうしようもないことなのですが、10年後、20年後、日本でもこういった検診が行われていくと、がん死亡率は下げていくことができると思います。
がんを早期に見つけて早期治療介入することが、患者さん本人のその後のQOL(生活の質)、心的ストレスを和らげる意味でもとても大切です。まずは気軽にがん検診を利用していただき、検診で引っかかった場合も「ここの段階で見つかって良かったんだ」とポジティブに捉えて、精密検査までしっかり受けていただきたいと思います。