本紙掲載日:2024-06-28
(6面)

夜の校舎に響くコーラス−高千穂町田原

昨年発足−地元住民でつくる「大いちょう歌劇団」

◆小学校校長と教頭の着任きっかけ

 子どもたちが家路に就き、静まり返った山あいの校舎に美しい歌声と伴奏が響き始める。高千穂町田原の「大いちょう歌劇団」(興梠千美子団長)は、50〜80代の地元住民ら28人で活動するコーラスクラブだ。同町立田原小学校の音楽室で週1回の練習に励んでおり、人口減少が深刻化する〃ふるさと〃へ活力の輪を広げている。

 昨年4月、田原小に篠原光教校長と黒田智秀教頭が着任した。篠原校長は高校時代に所属した合唱部で歌の魅力を知り、教諭に採用された1990年以降も音楽要素を取り入れた授業を実践。黒田教頭はピアノ歴約45年で中学・高校の音楽教諭資格を有しており、ともに「音楽好き」を公言している。

 着任から半年が経過したころ、2人は地元住民との懇談で興梠団長と親交を深める。成り行きで篠原校長が披露した生歌に感銘を受けた興梠団長から「私たちも歌劇とかやってみたい」と熱望され、昨年11月、14人で歌劇団を発足した。

 団名には旧田原村の村木(そんぼく)で、創立150周年を来年に控えた田原小の校歌にも登場する「大いちょう」をいただいた。篠原校長のユーモアあふれる歌唱指導と黒田教頭の心地良い伴奏が評判を呼び、ファンとなった団員づてに着々と規模を拡大している。

 練習は毎週水曜日の午後7時半〜9時。開始時間が近くなると、ウオーミングアップを兼ねた黒田教頭の演奏に引き寄せられるよう集まり、職種や年齢の壁を越えて近況報告に花を咲かす。入団理由も「歌が好きだから」「誘われたから」「コミュニケーションがおっくうになりかけていたから」などさまざまだ。

 「とにかく元気に、楽しく」をモットーとし、任意にもかかわらず参加率は毎回9割ほどと非常に高い。「人生の楽しみができた」「校長先生のトークが面白い」「歌ったらぐっすりと眠れる」などと語る団員はみな、朗らかな表情を浮かべており、生きがいづくりにも確かな効果を生んでいることが見てとれる。

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