本紙掲載日:2024-09-07
(3面)

延岡城三階櫓跡−珍しい地鎮祭の痕跡確認

発掘調査の市民向け説明会−延岡市

◆青銅製「輪宝」、土師器など出土

 延岡城三階櫓(やぐら)跡の発掘調査を続けていた延岡市教育委員会文化財・市史編さん課はきょう午前9時から、これまでの成果を基に現地で説明会を行った。礎石や床石のほか、県内でも珍しい地鎮祭の痕跡などが見つかっており、櫓台の規模なども含め、訪れた市民が話を聞いた。

 市教委によると、三階櫓は江戸時代前期の延岡城大改修時に造られた。火災で焼失するまでの1653〜83年の30年間に存在した城内最大の建造物。これまで本格的な調査が行われてこなかったこともあり、詳細は不明だったという。

 会場では同課の甲斐康大さんが説明。今回の調査で確認できた地鎮祭の痕跡は三階櫓西側の入り口付近で、地下から4枚の土師(はじ)器の皿、青銅製の「輪宝」という仏教の道具が固定された状態で見つかった。直径は約19センチ。輪宝は古代インドで使用された武器で、四方八方を守る意味から仏法の象徴とされた。国内では平安時代から寺院建築の際の地鎮祭に使用され、中世以降は城郭建築でも使われたという。

◆10基の礎石も確認

 確認できた礎石は全部で10基。凝灰岩製で一辺が約60センチの角形で、櫓台中央部に南北3間、東西2間で配置、礎石の中心間の距離は約2メートルだった。北東角と北西角の2基は完全に粉砕されるなど、ほかの礎石もなぜか上部が割られて見つかった。

 この礎石で囲まれた範囲には床石が敷かれていたことも確認できた。大半は破壊されていたが、西側に一部が残っていた。材料は礎石と同じで厚さ約20センチの板状に加工され、表裏面、側面も平らに仕上げられていた。床石は中央部に隙間なく敷かれ、床下に収納スペースがあった可能性が考えられるという。
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