本紙掲載日:2024-10-18
(7面)

平和の尊さ伝える−被爆の橋本さん(長崎市在住)

財光寺中学校で行われた「被爆体験講話」

「兵力ではなく知力」−日向・財光寺中

 日向市立財光寺中学校(藤井寛史校長)で16日、全校生徒416人を対象にした「被爆体験講話」があった。1歳の時に原子爆弾が投下された長崎市の爆心地から南に4キロの自宅で被爆した橋本富太郎さん=長崎市在住=が生徒らに戦争の悲惨さや平和の尊さを伝えた。

 日向市は1985年に非核三原則の順守と核兵器の廃絶を訴え、世界の恒久平和達成を目指して非核平和都市を宣言。2004年からは長崎市内の被爆者を講師として招き、市内の中学校などを対象に講話を開催している。

 講話を前に藤井校長は、核兵器廃絶を訴え続ける日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)が今年のノーベル平和賞に選ばれたことを紹介。「タイムリーな時期に貴重な講話を聞くことができる。話の中でいろいろなことを感じてほしい」と話した。

 被爆当時、1歳11カ月だった橋本さんは記憶にないが、両親が体験記を残していた。記録によると、食料を確保するために郊外の農村部へ長時間かけて買い出しに行く際に爆心地付近を通ると、やけどを負った人や死体、壁だけ残った建物など無残な光景が広がっていたという。

 橋本さん本人も腎盂(じんう)腎炎やがんの発症、中高生時代の友人たちが急性白血病で亡くなるなど、直接目に見えない放射線の恐ろしさも語った。

 最後に「若い皆さんに託すこと」として、「どんなジャンルでも構わないから学んでほしい。武器は兵力ではなく知力。微力ではあるが無力ではない。皆さんに行動をしていただきたい」と強く訴えた。

 詳細は、本紙へ。

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