賞の人−杉野久光さん（延岡市北川町）

２０２４年度夕刊デイリー明るい社会賞

◆移住者受け入れに尽力

　「何も特別なことはしていません。自分たちが生まれ育った環境は自分たちで良くしていくべきだと思うんです」。地元の御頭神社奉賛会会長を後進に譲り、現在は地域の相談役として移住者の受け入れに尽力する。

　台風などの際、たびたび浸水被害が発生してきた北川町だが、杉野さんが暮らす瀬口区多良田は高台に位置するため、町内で唯一、水に漬からない地域。そうした特長を生かして考えたのが、農家の移住者を呼び込むことだった。

　まず取り組んだのは、道路の拡張。「トラックやコンバインなどが通りやすいように」と、車１台が通るのがやっとだった道の拡張を行政へ訴えかけ、勾配も緩やかにした。

　さらに、移住者が溶け込みやすい雰囲気づくりも兼ねて地区を挙げての「アルミ缶集め」を実施。生活の中から出るアルミ缶を業者に持ち込んで換金し、地区の集会など公民館の運営費に充てている。

　「困った人を見ると助けずにはいられない」という性格。「今持っているエネルギーは生きているうちに、すべて使い切りたいです」と力強く話す。

（推薦者＝須藤曉北川町瀬口区区長、須藤寛之瀬口区さんさんクラブ会長、夏田正昭北川総合支所支所長）