新玉さん県記録で２冠

九州マスターズ陸上投てき種目

◆亡き祖父との約束「日本一」目指して

　第３９回九州マスターズ陸上競技選手権大会は４日、鹿児島市の白波スタジアム（県立鴨池陸上競技場）であった。延岡市・延岡中教諭の新玉宏司さん（３５）がＭ３５クラス（３５〜３９歳）砲丸投げと円盤投げの県新記録を樹立し、２冠を達成した。

　新玉さんは美郷町出身で、南郷中―延岡東高―福岡大で県の中学校社会科教諭。本格的な競技経験は短距離に取り組んだ高校時代のみ。１８年の春に、生徒への刺激になればと投てき競技に独学で取り組んだ。

　コロナ禍の影響で、３年ぶりの九州大会。７月にはトレーニング中に腰を痛め、１カ月ほど練習を加減し、「どれだけ復調するかという調整になった」という。

　本番では、２種目とも２位に大きく差をつけ、砲丸投げは１１メートル６３で３年ぶりの優勝、円盤投げは２７メートル１３で初めて頂点に立った。

　砲丸投げ１２メートル台、円盤投げ３２メートル台の自己記録には及ばず、「記録は今ひとつだったが、３年ぶりの九州大会優勝で、うれしさはひとしおだった」。

　今後の目標に、全日本での優勝、世界大会出場を掲げる。２０年７月に亡くなった祖父の利光さん（享年８９）が、結果を喜んでくれたことが競技に打ち込むきっかけだったという。

　２０年にはＭ３０（３０〜３４歳）の砲丸投げ日本ランキング１位となったが、コロナによる中止で全日本での金メダルはまだ手にしていない。「大会の結果を報告するとうれしそうにしてくれていた祖父との約束を果たしたい」。

　教職との両立だが、「忙しいことを理由にしないこと。やることを精選し、練習をする時間を確保していきたい」。学校に陸上部はないが、クラブチームで競技に取り組む生徒との関わりも。今月１０日の延岡選手権では、出場生徒全員が入賞し、自身と生徒の〃ダブル優勝〃も果たした。

　「生徒は競技を通して、新しい可能性を広げてくれている。同じ競技者として上を目指していければ」と話していた。