五つの研究結果を発表

工夫凝らし、分かりやすく解説−延岡高ＭＳ科

　県立延岡高校（澁谷好一校長）メディカル・サイエンス科（ＭＳ科）の１年生８１人は１７日、ＳＤＧｓ（持続可能な開発目標）に関する課題解決型学習の成果を発表した。

　同校が２０２０年度に選定を受けた文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール（ＳＳＨ）事業の一環で、先進的な理数教育を通して生徒の科学的能力や思考力を培い、将来を担う科学技術系人材の育成を目的としている。

　１年生は４月から、市内の研究開発者らをメンター（指導者）として、助言を受けながら課題解決型学習に取り組んできた。集大成となるこの日の発表会には、メンターの旭化成電子の樫田健太さん、旭化成の伊藤恵さん、槌岡南美さん、興電舎の冨田空さん、九州保健福祉大学の加口大貴さんが来校。

　生徒は、「植物から芳香成分を抽出しよう」や「手洗いとアルコール消毒の有効性」などＳＤＧｓ１７の目標に基づいた五つのテーマの研究結果を解説。

　その中で、水の種類によって硬度が違うことを不思議に思った８班の「ミネラルウオーターの硬度測定」の発表では、軟水の方が硬度が小さいという仮説を立て、市販の軟水と硬水を使って検水中のカルシウムイオンとマグネシウムイオンを測定し、実際に軟水の方が硬度が小さいことが分かった。

　発表を聞いていた他の研究班の生徒やメンターからの「なぜ硬水と軟水で味が変わるのか」という質問に対して、「カルシウムイオンやマグネシウムイオンがたくさん含まれているため、苦いと感じると思う」と答えた。

　ミネラルウオーターの硬度測定について発表した安藤美咲さん（１５）は「人に伝えるのが大変だったけど、発表原稿を作ったり、計画を立てて班のみんなと打ち合わせをしたりと工夫をして伝えた」と話した。