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賞の人−櫨林守さん(82)延岡市島浦町

本紙掲載日:2022-11-03
1面

2022年度・第49回夕刊デイリー明るい社会賞

◆遠見場山の整備15年

 県内唯一の有人離島、島野浦島にある標高186メートルの遠見場(とんば)山の整備を続けて15年。12キロに及ぶトレッキングコースの完成に尽力し、県内外から登山客が訪れるきっかけになった。

 「お客さんが来だしたら、草ぼうぼうよりきれいな方がいいがね」。草刈り機を担ぎ、弁当持参で登って草木を刈り、足元が滑らないように落ち葉を掃くなど、「また来たいと思ってもらえるように」と気配りする。

 巻き網船の元漁師。70歳で船を下りる少し前から、「昔の風景を取り戻そう」と立ち上げられた山道整備グループに入った。草木を刈るとツツジが芽吹き、美しい花が咲くように。「島の人だけが見るのはもったいない」と、島外から多くの人が参加するツツジツアー、アサギマダラ観察会などの開催のきっかけになった。

 漁師の時から所属する「島野浦音頭保存会」では音頭取り、太鼓のたたき手の両方で活躍し、島に伝わる「うちわ踊り」の継承にも力を注ぐ。

 「気性よ。船の中でも家の中でも、自分が責任を持ったところはせんと」

(推薦者=岩谷勇島浦町区長、岩田末幸同町漁業協同組合長、結城豊廣全国離島振興推進員)

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