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巨典の−故郷は遠きにありて思うもの(34)

本紙掲載日:2024-04-18
8面

大消費地・福岡と連携もっと−美野島商店街・吉田青果の吉田真一社長

◆宮崎の農産物・夏野菜のイメージ強く−需要高いマンゴー佐土原ナスも人気 料理人から厚い信頼−産直や手に入りにくい商品も

 福岡市博多区の美野島商店街にある八百屋さん「吉田青果」。今年で創業50年を迎えます。初代はリヤカーでの野菜の販売から会社を興したそうです。今回、話を聞いたのは2代目の吉田真一社長です。

 吉田青果は、一般消費者の皆さんが気軽に利用でき、安くて質の高い野菜が買えるお店としてにぎわう一方、プロフェッショナルである料理人からも信頼が厚い八百屋さんとしても有名です。

 市場などにある一般的に流通している商品から、生産者から直接仕入れる産直の商品、そして福岡では手に入りにくい青果物を日本全国の市場より取りそろえて販売しています。

 店構えは、おしゃれで明るく、整然とさまざまな野菜やフルーツが並んでいます。店内で宮崎産の農産物を探すと、この日はトマトやズッキーニ、ナスが入荷していました。吉田社長いわく、宮崎の農産物は夏野菜のイメージが強いそうです。

 キュウリ、ズッキーニ、トマト、ピーマン、オクラ、ゴーヤーなどなど。そして、福岡における宮崎野菜の評価は「味が良く、みずみずしい」と評判も上々のようです。

 一方で吉田社長は、宮崎の農産物のPRの主力は東京方面なのかなと感じていて、大消費地・福岡と上質な農産物の産地・宮崎との連携をもっともっと深めてほしいと願ってくれています。

 さて、宮崎農産物について詳しく聞くと、福岡地区でのトップランナーは、やはりマンゴー。値段は高くとも需要が高く、去年は福岡市のデパートに2玉で60万円の完熟マンゴー「太陽のタマゴ」が並びました。

 マンゴーに次いで人気なのは佐土原ナス。人気の理由は味が良いことに加えて、希少種としての復活ストーリー(色や形が不ぞろいで栽培が難しく、生産農家が徐々に減って生産されなくなった「幻のなす」が、2000年に県の保管用の種からたった4粒のみを発芽させることに成功し、見事復活を遂げたのです)も、功を奏したという分析でした。なるほど、農産物自身の「物語」も大切なセールスポイントの一つのようです。

◇通年で扱いたい平兵衛酢

 吉田社長お気に入りの「県北の農産物」を尋ねると、さすがプロフェッショナル!次々に名前が出てきます。

 まず登場したのは、延岡市熊野江町にしか自生しないといわれる「くまの香酢」です。希少なかんきつで、魚や肉などのお料理やお酒などとの相性も良いと言われています。

 一般的に料亭などでは、マツタケの土瓶蒸しなどに入れるかんきつは小さなものが好まれるようで、小粒のくまの香酢はうってつけの存在。時には、小ささも大切なヒットの要因なのです。

 また、吉田青果では早くから平兵衛酢(へべす)を扱っていますが、ぜひとも通年で扱いたいとのこと。確かに、福岡の水炊きなどの鍋料理がよりおいしくなる冬にこそ、平兵衛酢をたっぷりと搾ってほしいものです。

 ちなみにこの取材の日(4月上旬)、徳島産のスダチが何と1玉で324円(税込み)の高値で売られていました。

 続いては、美郷町の「イラカブ」。アブラナ科の野菜で漬物などにして地元の人が食べていたそうで、これも消滅の危機から救いたいとの思いで復活した伝統野菜です。イラカブの種で作ったマスタードもあり、洋食のシェフたちからも大注目されそうです。

 さらには、パプリカというリクエストがありました。五ケ瀬町にはパプリカの生産者がいます。昼夜の寒暖差が大きい五ケ瀬のパプリカは、甘みの強い、大きめサイズが特徴だそうです。福岡では韓国産が主流なのでぜひ、扱ってみたいとのことでした。

◇「こいとまと」対話でファン獲得

 そして、「八百屋は生産者あっての商売」とのこと。故に、生産者との対話を大切にしているそうです。その対話が実を結び、福岡で人気を博したのが、日向市の「こいとまと」です。吉田青果で販売して8年になります。

 成功要因の一つとして、このトマトが日本野菜ソムリエ全国トマト選手権で銅賞を獲得したことを、吉田青果がお客さんたちにしっかりとお知らせしました。加えて、パッケージのデザインにもアドバイスをしました。そのコミュニケーションの結果、料理人の間でも話題となり一般のファンも次々に獲得していきました。吉田青果のような中間業者の存在が、農家とお客さんをしっかりとつないでくれるのです。

 最後に、「最近は、福岡でも東京に負けない良い値がつくようになったので、県北の皆さんもぜひ、福岡というマーケットに注目していただきたいです」というメッセージを頂きました。

 県北の生産者の皆さんの熱い声と素晴らしい農産物は、もっともっと福岡に届いても良いのではないでしょうか。

 高橋巨典(元UMKアナウンサー。現在、フリーアナウンサーとして福岡をメインに活動中。日之影町生まれの延岡育ち。趣味は渓流釣り。県北のほとんどの川で釣りをしたというヤマメ釣り歴45年。延岡高校31回生・1979年3月卒/リポートは不定期で掲載します)

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