１４日解禁、初競り−完熟きんかんたまたま

卸売市場−最高級１キロ１万円の高値

　宮崎県産のブランド果実「完熟きんかんたまたま」が１４日解禁日を迎え、県内の市場で初競りが行われた。このうち延岡市牧町の延岡綜合地方卸売市場では、最高級品の「たまたまエクセレント」には１キロ当たり１万円の高値が付いたほか、ご祝儀相場もあって全体的に高値で取引された。

　初日の１４日はＪＡ高千穂地区、ＪＡ日向、ＪＡ尾鈴からＡ、Ｂの等級ごとに３サイズ計１１０キロの完熟きんかんが持ち込まれた。

　同市場にはＪＡ高千穂地区とＪＡ日向の生産者らも来場。競りを前に、高千穂地区果樹振興会きんかん部会の工藤慎一郎部会長は「今季は色付きが少し薄かったが、艶もあって玉太りも味も及第点。おいしいきんかんができました」。美郷町さいごう完熟金柑部会の大野節夫部会長も「暖冬の影響で実の付き方にばらつきはあったが、平年並みの収量が見込める。糖度も高く味はばっちりです」と自信をのぞかせた。

　買い受け人たちは、３地区のきんかんを試食しながら今季の出来栄えを判断。特設の競り場で競りがスタートすると、競り人の掛け声と買い受け人の小気味よいやり取りがこだましていた。

　宮崎県はキンカンの生産量全国一を誇る。「完熟きんかんたまたま」は、開花日から２１０日以上を経過、樹上で完熟させた直径２・８センチ以上、糖度１６以上という基準をクリアしたものを指す。中でも直径３・２センチ以上、糖度１８以上の厳選された「たまたまエクセレント」は最高級品として取引される。いずれも生でそのまま食べられるのが特長で、全国的にも人気が広がっている。