若者の自主性引き出すには？

ＮＰＯ法人代表・朝山さんが講演−宮崎

　みやざき若者サポートステーションと県による講演会「若者の職業的自立のためにできること」が１０日、宮崎市の県企業局県電ホールであり、ＮＰＯ法人キーパーソン２１代表理事の朝山あつこさんが、若者の自主性の引き出し方を語った。

　朝山さんは３人の息子を育てる主婦だったが、長男が通う中学校での学級崩壊をきっかけに、２０００年にＮＰＯ法人を設立。「夢！自分！発見プログラム」を開発し、学校や企業、行政、大学、ＰＴＡなどと連携し、川崎市を拠点に全国４万５千人以上の子どもたちにキャリア教育支援を展開している。

　講演会には教育団体や行政、ＰＴＡ、企業などから１０１人が参加。朝山さんは毎日の仕事や生活にわくわくしていますか」と会場に問い掛け、わくわくするという参加者からは「仕事の目標があるから」、しないと答えた人からは「あれもこれもしないといけないと思ってしまうから」と心境を引き出した。

　また、日本の若者は主要７カ国の中でも日常への満足度や自己肯定感が極端に低いことを紹介。現代社会は変化が激しく、不安が多くなりがちなことが背景にあるとしつつ、「予測しきれない未来だからこそ、今ある枠の中に子どもを入れ込めるのではなく、枠を超えて未来をつくる行動力ある子どもをつくる方がいい」と力を込めた。

　子どもの夢に対して、「職業名を出すと、なれるかなれないかにこだわりがちで、子どもの可能性を狭めてしまう。なぜそうなりたいのか理由を聞くことで可能性が広がる。一つがだめでも諦めないで」と話し、「わくわくエンジンが分かると、子どもの何を応援すればいいかが分かる」と温かく見守るよう求めた。

　同ステーションは厚生労働省と県の委託で、働くことに悩みのある１５〜３９歳の若者を支援。就職や心の悩みについての相談、就職活動に向けた研修、職業訓練・体験などを提供し、毎年県内１５０人ほどの就職を実現している。サテライト延岡など３拠点がある。