２０２０年新春インタビュー（13）−川村義幸美郷町商工会会長

３地区−団結力高め、交流を

◆活性化には交流人口増と〃外貨〃獲得

−−現在の課題とその解決方法は。

　旧３村の商工会が合併し、４年弱が経過しました。将来を担う青年部は、合併以前から続いている独自の活動を通して絆を深めていますが、美郷町商工会全体としては、もっと力を合わせられるのではないか、と考えています。

　例えば現在、西郷は御田祭、南郷は師走祭り、北郷は宇納間地蔵尊大祭など各地域の支所がメインとなってイベントを運営しています。これらの各行事をお互いがバックアップし合えれば、点と点が線になり、さらに良いものへと高めることができると信じています。団結力を高めるためにも、交流する機会を増やしていきたいと思っています。
　
買い物弱者をいかに支援するかも喫緊の課題です。美郷町は２人に１人が高齢者です。社会的な風潮もあり、免許返納者は増えています。商工会の対策としては、６年前から町の補助を受けて町内事業者による移動販売を週に２回ほど行っています。ただ、販売する側も高齢化し、現在担当してくれている方全員が７０歳を超えています。健康状態などをチェックする見守り活動も兼ねて一軒一軒訪問しているため、体力的な負担が大きい部分もあります。返納者が増えれば移動販売の需要も増えます。それに応えるためにも、処遇改善などに取り組んで販売者の環境を整え、後継者の掘り起こしに努めるつもりです。

−−活性化のための計画について。

　交流人口を増やし、〃外貨〃を稼ぐことが重要になってきます。町には魅力的なスポットがたくさんあります。２０１７年に設立された一般社団法人「美郷町観光協会」と連携、協力しながら、観光資源の発掘、発信などを実施していきます。その一環として昨年、西郷にある「葉桜ふれあい公園」の清掃活動を行いました。広大な山々や市街地を一望できる場所にあり、春には桜のピンクと豊かな自然の緑とのコントラストが美しく、花見客でにぎわいます。春だけでなく年間通して利用してもらうために、四季折々の花を植栽したりイベントを開催できればと考えています。

　また、昨年は町内在住者が公園内にある農耕文化伝承館「夢開の塔」と西郷の施設「スパーク西郷」を活用して結婚式、披露宴を行いました。塔は西洋風にデザインされているため、挙式会場として利用できることを感じさせられました。このように、さまざまな手法で付加価値を高めることが活性化につながると考えています。

　昨年４月に開校した林業大学校の学生も交流人口の一つです。商店を運営する事業者の高齢化や後継者不足も長年の課題ですが、弁当の販売といった形で働き掛けることができればと思っています。

−−新年の抱負をどうぞ。

　今年は、町内をはじめ町外の商工会長なども招待して、８日に西郷のニューホープセンターで賀詞交歓会を初めて開催し、約１００人が参加してくれました。交流を通してさまざまな分野の方から多様な意見を聞くことができ、非常に良い刺激となりました。

　そういう意味では、いつもとは違う新年のスタートを切ることができました。この勢いを維持したまま、町内商工会の協力関係の強化、買い物弱者対策、外貨を稼ぐための施策にまい進していきたいです。そのためには町や観光協会などの関係機関と協力し、知恵を振り絞りながら取り組むことはもちろん、固定観念にとらわれない将来を担う若い世代からの意見を尊重して、さまざまな方々の期待に応えられるように活動していきます。