２０２０年新春インタビュー（18）−宮崎太陽銀行林田洋二頭取

キャッシュレス環境の充実化

◆県内金融機関初−ネット支店を開設

　−−県内経済について、昨年の振り返りと今年の展望をお聞かせください。

　昨年は延岡市で９月に発生した竜巻被害により、お取引先の事業への影響が見られ、自然の猛威と備えの重要性を改めて認識した年となりました。

　一方で雇用情勢の改善が続いたほか、世界的なサーフィン大会やラグビーＷ杯などで多くの観光客が来県されたことなどから、個人消費や生産活動の回復を中心に緩やかな持ち直しの動きが見られた年でもありました。

　今年は東京五輪・パラリンピック、国文祭・芸文祭などのビッグイベントが目白押しです。これらに呼応し、県内でも、国内外からの観光客増加といった効果が表れてくると思われますので、県内は経済全体に明るい兆しが見え始めるのではないかと感じています。

　−−地域経済活性化策の手応えを教えてください。

　現経営計画では、当行の使命を地域経済活性化への貢献と位置付け、諸施策に取り組んでいます。

　当行はまず、販路拡大をどう実現するのか、人手不足をどう乗り切るのかといった、とても大きな課題を抱えておられる経営者さまに寄り添うパートナーとなり、深い関わりを持つことができる経営者さまと数多く接することで、活力ある企業が増え、地域全体が活性化し、その先に当行自身の発展もあるのだと考えています。

　こうした認識の下、当行は地元の事業者さまと綿密な対話を通じ、ファイナンス関連以外のサービスにつながるような事業運営上の情報収集を行い、販路開拓などのお客さまに喜んでいただける解決策のご提供に励みながら、お客さまとのリレーションの強化に努めています。

　販路開拓の取り組みでは、昨年サポートさせていただいた多くの事業者さまの売り上げ増加に貢献することができました。また最近、お客さまから「行員の会話が、自社の事業を深く知ろうという内容に変化してきた」との声も頂くことが増え、取り組みの成果を徐々に実感しているところです。

　引き続き、事業者さまの課題解決に寄り添い、地道に販路開拓などのさまざまな後押しを進めながら、地域経済活性化に貢献してまいります。

　−−キャッシュレス化など技術革新への対応が急がれます。

　一昨年からキャッシュレス環境の充実化を進めており、昨年のサーフィン大会時には、「太陽銀行が設置を勧めてくれたキャッシュレス端末を置いたことで、外国人観光客に利用してもらえた」という声を、旅館業を営むお客さまなどから頂きました。

　また、昨年１２月には、日中店頭に足を運んでいただくのが難しいお客さまや、インターネットに慣れ親しんだ若い世代のお客さまに向け、県内金融機関で初となるネット支店を開設しました。引き続き、さまざまな技術活用を図りながら、金融サービスの充実にも取り組んでまいります。

　−−店舗政策も積極的に進められていますね。

　昨年は延岡、高千穂地区などで出張所化や、窓口での昼休み時間の導入といった店舗政策を実施させていただき、今年は４月に都城地区で店舗内店舗化を実施予定です。

　こうした一連の取り組みは、お客さまの利便性確保を図りつつ経営資源を集約することで、地域経済活性化に最大限の貢献ができる営業体制を整備するために実施しているものです。

　引き続き、お客さまにご満足いただける店舗づくりと商品・サービスの提供に努めてまいりますので、変わらぬお引き立てをお願いいたします。