採用試験に「体育枠」−小学校教諭

全国初、県教委が新設

　県教委は今年度実施する２０２１年度教員採用試験から、小学校教諭の受験区分に体育を専門的に指導する「体育枠」を新設すると発表した。全国都道府県で初となる。２６年に本県で開催される国民スポーツ大会（現国民体育大会）のトップ選手育成も視野に、運動能力の底上げを目指す。

　小学校では基本的に学級担任が全教科を教えるが、県教委によると、現在も教員採用後に体育専門になった教諭が３人いるという。指導力向上だけでなく、安全面や学級担任の負担軽減も期待できるため、専門教諭を採用していくこととした。

　体育枠の受験には小学校教員免許に加え、中学校か高校の体育免許が必要。募集定員は３月下旬に公表する実施要綱で明らかにするが、現在ある「英語枠」「特別支援教育枠」と同程度になる見込み。１９年度は各５人だった。

　採用から２年間は学級担任などを務めながら、専門教諭となるための研修を受け、その後は配置校によって体育専門とするかどうかを判断。県教委教職員課は、「小学校体育の核となる教員を育成することで、体育授業の充実を図りたい」としている。

　今回の教員採用試験からはまた、小学校・特別支援学校１次試験の水泳実技、小学校２次試験の体育・音楽実技を廃止。小学校と中学校の併願受験を可能とし、大学推薦者が対象の特別選考試験なども実施する。

　新たに東京と福岡にも会場を設け、採用試験を実施。教員募集説明会も県内以外に東京、大阪、福岡、広島、長崎、佐賀、熊本、大分、鹿児島で開く。県教委は「本県教育の質の向上に向け、幅広い人材を確保したい」としている。