２日から休校

対応困難家庭に支援策−延岡市

◆放課後児童クラブなどで受け入れ

　新型コロナウイルスの感染拡大防止のため安倍晋三首相からの要請により、多くの小中高校などは２日から臨時休校に入った。延岡市の小中学校では前日の１日に臨時授業が行われて児童生徒に休み方を指導。急な対応が困難な家庭に向けて、学校や放課後児童クラブなどで受け入れる支援策を検討する自治体も出てきた。

　延岡市と市教育委員会は、自宅で過ごすことのできない小学１、２年生や特別支援学校の児童生徒を学校で受け入れる対応を実施。放課後児童クラブや児童館では午前中からの受け入れを行う。

　同市が依頼者の自宅に会員を派遣する預かりサービス「ファミリーサポートセンター事業」では、小学校低学年を優先して対応。臨時休業に伴う小学校低学年の利用料金は市が全額負担することにした。ひとり親家庭への育児サポートも小学校低学年の利用を一律無料にする。

　このうち、市内で２番目に児童数が多い南方小学校（衣笠高広校長、６６２人）は当初、２月２９日と３月１日に出勤した教職員の休暇振り替えのため、４日からの対応を予定して保護者に伝えていたが、急きょ、２日からの受け入れに。初日は１年生２人が登校した。

　同校によると４日以降は１７人の受け入れ希望があり、児童たちは基本午前８時から午後４時３０分まで、校内で自習や読書をして過ごすという。衣笠校長は「校内でも極力、児童の密集状態を避けるようにしている。国難ともいえる事態であり、職員全員でしっかりと意識共有を図り、対応していきたい」と話した。

　童夢館児童クラブ（天神小路、甲斐享博館長）では、一斉休業の方針が出て以降、職員のシフト調整や受け入れ態勢の準備を進めてきた。今回は学校が低学年児童を預かる方針を出していることもあり、長期休業時と大きくは変わらないという。

　受け入れ期間中は読書や遊びの時間に加え、「学習の時間」も確保する計画。甲斐館長は「これから数日は様子を見る状況だと思う。少しでもお役に立てれば」と対応を進める。

　中学生にとっては４、５日に県立高校一般入試が控える。同市内の学習塾には、２日の朝から中学３年生約３０人が集まり、直前対策に集中している。室内では消毒液を設置するなどできる限りの対策を行い、同塾の代表は「ここまできたら、入試日まで生徒と一緒に頑張りたい」とベストな状態で試験に挑めるようバックアップに力を注ぐ。