旭化成小堀社長−安心して第一歩を

新入社員にメッセージムービー

　新年度がスタートした１日は、新型コロナウイルス感染拡大防止で企業の入社式にも影響が出た。発祥の地である延岡市で全体入社式を行ってきた旭化成も今年は中止を決定。代わりに、小堀秀毅社長が在宅している新入社員に向けたメッセージムービーを発信し、「今までにない取り組み方となりますが、皆さんが当社の一員として確かなスタートを切れるようサポートしていく体制を整えていますので、安心して今日から第一歩を踏み出してください」と呼び掛けた。

　旭化成によると２０２０年度入社の新卒者は大学卒と高専卒合わせて４４４人。例年であれば、発祥の地である延岡市内で全体入社式と約２週間の新人研修を行った後、全国の事業会社や部門に配属されてきた。しかし、今年は新型コロナウイルス禍の影響でいずれも中止となり、研修は自宅学習などの形式で実施される予定という。

　小堀社長は、同社が２０２２年に１００周年を迎える歴史に触れ、「当社の強みと競争力は何かを考えて。今後改めて延岡に集まる機会を設ける予定ですので、その際は当社のルーツを自らの目で確認してほしい」と話した。

　名誉フェローの吉野彰さんが昨年ノーベル化学賞を受賞したように、世界には新しいアイデアや技術で解決できる課題が多くある一方、企業を取り巻く環境も急速に変化を続けている。「そのようなときにこそ、情報に惑わされることなく、物事の本質をつかみ、正しく判断できる力を付けてほしい」とアドバイスした。

　その上で、「皆さんの成長が旭化成の成長につながる。世界を舞台に活躍し、社会に貢献できる人になってください。職場の先輩たちは研修後、皆さんが元気な姿で出社するのを楽しみに待っていますので頑張ってください。一緒に旭化成グループが社会から信頼され、より多くの価値を提供できる素晴らしい会社になることを目指しましょう」と呼び掛けた。