コロナリポート−客足遠のく繁華街

キャンセル、２月から続く−飲食業組合延岡支部

◆大幅売り上げ減仕方なく休業

　新型コロナウイルス感染症が拡大する中、政府は１６日、緊急事態宣言を全国に拡大した。感染者数は国内で増加の一途をたどっており、収束の見通しは立っていない。県内でもこれまで１７人の感染が確認され、外出の自粛などもあり、飲食業は直接の影響を受けている。会員３２０人を抱える県飲食業生活衛生同業組合延岡支部（高田重幸支部長）の悩みも深い。

　同延岡支部は２日、新型コロナウイルスの影響について調査を行った。会員の中から、居酒屋７店、料理店２店、スナック５店への聞き取り調査で、かなりのダメージを受けていることが改めて分かった。

　「居酒屋はなじみの客を持っている店は強いが、大人数の会合はない」「料理店は職場での利用や接待がキャンセルされ、被害が大きい」「スナックは全滅に等しい。客がいても２、３人の所が多く、早く閉める店や休む店もある」
家賃など固定費に関する相談もあった。

　カラオケやＢＧＭの契約料については組合として一緒に交渉する余地もあるが、「家賃については店ごとに家主が違うから組合で個別に対応することは難しい」。

　いつもなら歓送迎会で３、４月はかき入れ時だが、客足がすっかり遠のき、大幅な売り上げ減となった。この厳しい現状に飲食店の中には休業したり、従業員を休ませざるを得ない所も増えてきた。

　日向市上町の「ホテルメリッサ日向」は、今月１５日から６月末までスタッフを休ませ、その間は管理職５人で業務を回すことにした。門川町の「焼き肉さかえ」は「店から感染者が出ることを避けたい」として、稼ぎどきのゴールデンウイークを含む５月末日までの休業を決めた。

　延岡市安賀多町の「松乃寿司（ずし）」は２月からのキャンセルが、延べ人数にして３千人を超えた。同市の繁華街、夜の船倉町は飲み歩く人もほとんどいなくなり、客待ちのタクシーもまばらになっている。