「ひなたＷＯＭＡＮ」（４０）井東警察犬愛犬訓練所（門川町）・竹越ひかるさん

九州トップ級の技能

　延岡南道路の門川料金所を降りてすぐが職場。ドッグトレーナーとして２０年のキャリアを誇り、警察犬や家庭犬のしつけに当たる。日本警察犬協会、日本シェパード犬登録協会の公認訓練士でもある。

　「『人犬一体』の感覚を味わえるのが醍醐味（だいごみ）。ただかわいいだけでなく、高度な意思疎通ができる存在だということを知れば知るほど、その奥の深さが一番の魅力です。かみつきや無駄ぼえなどといった問題行動を改善し、飼い主に『預けてよかった』と喜んでもらえるのもうれしい瞬間です」

　この間、警察犬の日本一を決める第６３回審査会（２００９年）で、成犬の部のチャンピオンに輝いたラブラドルレトリバーを育て上げた。各種競技会での活躍は目を見張り、今や「九州トップクラスの訓練士」（井東照博所長）に成長。優れた技能は、山での遭難者発見など社会貢献にも生かされる。

　延岡市北浦町生まれ。小さい頃からの動物好きが高じ、北九州大学（現北九州市立大）を出て２０００年に入所した。井東所長（７１）によると、「忍耐強くて素直。自分でこうと決めたら最後までやり遂げるしんの強さがある。彼女から教えられることも多い」と信頼を寄せる。

　しつけ教室に大分まで出向くこともあり、なかなか休みが取れないが、息抜きは１１年前に結婚した夫とのドライブや買い物という。

　「肝に銘じているのは、日々の積み重ねがあって大きな成果があるということ。これからも目標に向かって今できること、やるべきことをコツコツとこなしていきたい。そして、しつけの必要性や良さをもっと広め、すべての犬たちが幸せになってほしいと思います」