清本氏死去−広がる悲しみ／各界から惜しむ声
本紙掲載日：2020-06-11
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経済にとどまらず観光、文化、学問などさまざまな分野で地域振興に力を尽くした清本英男さんの訃報は、関係者はじめ多くの人を深い悲しみで包んだ。８期務めた延岡商工会議所会頭の職から退き、なお振興への思いを新たにしていた矢先の訃報に、各界から、その人柄をしのぶ声が上がった。
◆懐が深く、大好きな先輩−米良充典・県商工会議所連合会会頭
具合が悪いのは知っていましたがこんなに早いとは思っていなかったので、本当にただただ残念で仕方がありません。
ＪＣ（青年会議所）時代から４０年来のお付き合いで、ＪＣを卒業してからもいろんな形で行き来して、いろいろとご指導を賜りました。私が会頭になってからでも１０年お世話になりました。懐がすごく深く、大好きな先輩でした。
新型コロナウイルス感染症や会議所の人口減への対応、県内の産業の流れをどうつかむかなど、これから会って話さないといけないことは、まだまだ山ほどありました。
とにかく、清本さんが歩んできた道、長い経験の中から、多くのことを学ばなければならないと思っています。
◆非常に残念−十屋幸平日向市長
突然の訃報に、たいへん驚くとともに非常に残念でなりません。
延岡商工会議所会頭在任中は、経済界を代表して、長きにわたり県北地域における高速道路網の整備促進にご尽力いただきました。
その活動が実を結び、念願であった東九州自動車道北九州・宮崎間の開通に至り、細島港の利用促進にも効果をもたらしたと感じております。
また、日豊経済圏開発促進協議会会長として、宮崎県北と大分県南地域における経済産業の発展と交流にも取り組まれるなど、幅広い分野で、豊かな見識と経験をもとに卓越した指導力を発揮され、県北地域の発展に多大なるご貢献をいただきました。偉大な方を失い、深い悲しみにたえません。
◆驚きと信じられない思い−加計勇樹・順正学園理事長・総長
６月１日に理事長・総長に就任し、その日の夕方に清本さんにお電話して「頑張ってください」と言われていたので、驚きと信じられない思いでいっぱいです。延岡をすごく愛され、その中で九州保健福祉大学も愛していただいていた。ミャンマー・マンダレーに一緒に旅した際にも、大学入学者が減少していることを心配していただいて、ミャンマーから学生を呼べないかと尽力していただいたことを鮮明に覚えています。理事長になりたての私にご指導いただきたいと思っていましたので、残念でたまらない気持ちでいっぱいです。
◆功績大きい高速道の早期開通−山��司・延岡地区建設業協会相談役
東九州自動車道と九州中央自動車道の開通に懸ける思いが強い方でした。早期の開通は清本さんが引っ張っていただいたおかげであり、この功績は大きいと思います。県北の経済界をまとめ、大分との日豊経済圏という大きな経済交流をつくられました。九州保健福祉大学の誘致もけん引してこられました。第１回まつりのべおかの実行委員長を務めるなど、まちづくりの基礎を築かれました。バイタリティーと気配りと指導力は抜きん出たものがありました。「巨星墜（お）つ」とは、このことではないかと感じています。本当によく頑張っていただきました。感謝の気持ちでいっぱいです。
◆今も根付く精神−梶原靖正・延岡青年会議所理事長
延岡青年会議所の第１９代理事長であり、名誉会員でもあります清本先輩は、大変ご多忙にもかかわらず延岡青年会議所の新年会には毎年必ず駆け付けてくださり、私たち現役会員によい刺激を与えてくださいました。清本先輩が理事長時代に掲げられたスローガン「模索し思考し、行動し、そしてその実を示そう」は、ＪＣ活動だけにとどまらず、まつりのべおかをはじめとするさまざまな運動となり、今もなお延岡市に根付いています。われわれ現役会員はその思いを受け継ぎ、これからも延岡の未来のために運動を続けてまいります。
◆頼れる兄貴分−三輪純司・日向商工会議所会頭
清本さんは、体は小さかったですが、われわれ地元県北のために戦ってもらえるヤンチャで心優しい〃ジャイアン〃のような頼れる兄貴分でした。
ご功績の真っ先に挙げられるのが高速道路をはじめとする道路の整備です。幅広い人脈を活かしながら、「地域発展には道路整備が不可欠である」と歯に衣着せず強く訴えて実現に至りました。
今日、本県と大分県の東九州道が連結し、さらに熊本県境を跨ぐ九州中央道の整備が急がれる中、我々がその強い意志をしっかり受け継ぎ、地域総合経済団体としてのさらなる地方創生に対する取り組みを約束しながら、清本英男さんの安らかなご永眠をお祈りいたします。
◆情熱にあふれた人−首藤正治・前延岡市長、大正大学副学長
清本さんは並外れたエネルギッシュなリーダーシップで会社を大きく成長させ、さらには延岡商工会議所会頭として四半世紀にわたって延岡経済を引っ張ってこられました。大先輩に少々失礼な言い方ですが、生涯にわたって愛すべきやんちゃ坊主で、延岡を一つにするためにとまつりのべおかを創始されたり、大学を生かしたまちづくりに取り組まれるなど、とにかく延岡を良くしたいという情熱にあふれた方でした。地域の活性化のためには絶対に高速道路が必要だと熱く語る姿が目に焼き付いています。
◆延岡観光の父というべき存在−谷平興二・延岡観光協会会長
幅広い分野で延岡の発展に尽くされた方でした。中でも観光の基礎となる東九州自動車道や九州中央自動車道はじめ道路整備に力を注がれたことから「延岡観光の父」と言うべき存在でもあり、当協会８０周年の際には観光大賞を贈らせていただきました。ミャンマーとの交流事業やまつりのべおか、延岡駅前のにぎわい創出など功績は挙げればきりがないほどで、まさに余人をもって代え難く、延岡における一時代の終わり、大きな節目の一つではないでしょうか。喪失感に包まれていますが、意志を継いで地元発展に力を尽くしたいと思います。
◆思いつなぐよう努力−友井康弘・延岡商工会連合会会長
商店会連合会の活動をとても気に掛けてくださっていました。総会にお招きした際などに「生き残るためにはもっと頑張らなければならない」と厳しいお言葉を頂いていましたが、同時に優しさを感じるものでもありました。まちゼミをはじめとする私たちの活動を広く各所に紹介してくださるなど、非常に心を砕いていただいたことに感謝しています。３年前に会長に就任してからごあいさつさせてもらう機会が増えましたが、カリスマ性を持った強いリーダーシップを発揮される姿が印象的でした。連合会としても、少しでもその思いをつなぐことができるよう努力してまいります。