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ばあちゃんはわたしの神様になった(1)石原晴美

本紙掲載日:2020-06-16
6面

 「感動した。こんなおばあちゃんの教えは今はもうないのではないか。今の子どもたちにも見てほしい」。延岡市長浜町の浅田京子さん(68)が、墨字で書かれた1冊を持参した。

 作者は、浅田さんのいとこで、延岡市北方町出身の石原晴美さん(79)=福岡市在住=。「ばあちゃんはわたしの神様になった」と題が付いたこの冊子には、母親代わりとして、中学卒業まで石原さんを育てた祖母の松井ムラさん(享年76)と過ごした日々が丁寧につづられている。

 戦後間もない頃の田舎の暮らし、方言、昔からの言い伝えなどが、墨字で温かく表現されている。きょうから、1ページずつ紹介する。



 石原さんは8歳の時、結核で母親を亡くし、北方町藤の木にあった父親の実家で暮らし始めた。「ちょうどクリスマスの時期でした。昭和23(1948)年のことで、その頃、日本にもクリスマスの行事が入ってきたのでしょうね。ジングルベルの曲が流れていたのを覚えています」と振り返る。

 14歳で父親も他界。それでも「祖母が世話してくれたから、横道にそれることはなかったんだと思う」と話す。

 祖母は30代で夫を亡くし、石原さんの父親を含めて7人の子どもを育てた。そのため、子どもたちは何かあるごとに集って話し合い、石原さんのことも気に掛けてくれていたという。「今思えば貧乏だったけど、おじやおばからもすごい愛情をもらった。いとこたちは私をきょうだいとして接してくれた」と、次から次に感謝の言葉が続いた。

 30代で書道を始め、約30年、書道教室で指導に当たった。信仰深かった祖母の影響を受けてか、20年ほど前、地蔵の絵を描き、文字を添えて楽しむ「おじぞうさんの会」を仲間と共に立ち上げて活動。同会は会員の高齢化で昨年解散したが、「楽しむ程度に」と、お地蔵さんの絵はがきを病気の人たちに送るボランティアを今も続けている。

 冊子を作ったきっかけは、北方町に住むいとこから「ばあちゃんとの話を書いておいてほしい」と言われたこと。「思い出の中にいるばあちゃんを書こうと、飾ることなくそのまま書いた」。1年ほど前に短期間で書き上げ、交流が続いている父方、母方、両方のいとこ十数人に送ったという。

 掲載について「こうなるとは夢にも思っていなかった。いとこに言われなかったら書くこともなかったと思う」と振り返った石原さん。「私ももうすぐ80歳。祖母への恩返しになるのではないかと思います」と控えめに話した。


◆祖母松井ムラさん(延岡市北方町)の思い出

母が幼い私を残して旅立って悲しいとか寂しいとかもわからずに時が過ぎた。ひつぎの中に透き通って眠る母がいた。

クリスマスの日に父に手を引かれて父の実家に連れて行かれただ不安な私がいた。初めての夜ばあちゃんは太ももの間に冷たい私の足をはさんで温めてくれた。

その温かさで動けなかった。そしてあのきれいで優しかった母はもういないことこれからはこのばあちゃんと暮らしていくことを実感した。

泣いた。泣いた。思いきり泣いた。悲しさに泣いたのかばあちゃんの優しさにないたのかわけがわからず泣いた。

「もぞなぎい(かわいそうな)子やもぞなぎい子や」
そう言いながらばあちゃんも泣いていた。ふるえながら泣く私を包むようにして抱きしめてくれた。

 ばあちゃん私が8歳になったばかりの寒い夜でした。



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