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江藤農水相に聞く

本紙掲載日:2020-06-24
1面
大臣席からオンライン・インタビューに応じる江藤拓農水相

成立して良かった・改正家畜伝染病予防法

農林水産物・食品輸出−本部が本格稼働

◆BUZZ MAFFで情報発信、農業を元気に

 江藤拓農林水産相が23日、東京霞が関の農林水産省の大臣席から、インターネットを介したオンラインで約30分のインタビューに応じた。(一部昨報)

−−150日間の通常国会が17日に閉幕。農林水産省関連の法案5本のうち4本が成立し、新型コロナウイルス対応の補正予算なども成立した。感想をひと言。

総理の言葉を借りれば過去に例のない補正予算を2回組み、かなり濃密だったと思う。コロナ対策は日に日に状況が変わるので、予算要求した時と予算が成立した時の時間のギャップもあり、ほんとうに濃密だった。

−−10年前、宮崎県で口蹄(こうてい)疫が発生。今またアジア各国で家畜伝染病が発生しており、その対策を盛り込んだ改正家畜伝染病予防法が7月1日に施行される。

施行日は私の誕生日で還暦を迎える。法案成立にたどり着けて良かったし、口蹄疫の経験も大いに役立った。大臣就任直後、埼玉と長野で立て続けにCSF(豚熱)が確認された日は土曜日(9月14日)だったが、職員に緊急招集をかけ、対策本部を開いた。(関東で発生して)ステージは上がったわけで、もうワクチン接種しかないと判断した。いろんなハードルを経験したが、法律に基づいてやれるようになったということは、とても大事なこと。

−−昨年12月、中国の駐日大使とともに都農町の食肉加工施設を視察し、宮崎牛をはじめとする和牛の品質をPRされた。

中国の大使が宮崎まで来るのは異例中の異例。明らかに本国の了解があっての視察であり、大使の前向きな発言があったので、いい春が迎えられると喜んでいたところ(コロナ禍で)止まってしまった。4月に発足した農林水産物・食品輸出本部も様子見していたが、先週の金曜日(19日)に看板を掛けて本格稼働。24日(23日)も官邸で輸出拡大に向けた関係閣僚会議を開く。「アフターコロナ」「ウイズコロナ」の時代に輸出にもしっかり取り組みたい。
−−今回のコロナ禍では、サプライチェーンを中国に依存してマスクの品不足が問題になった。食糧自給についても真剣に考える時だと思う。
オイルショックではトイレットペーパーがなくなった。当時は輸入に頼っていたが、今回のコロナ禍では、テレビで「トイレットペーパーは国産ですよ」と流していた。マスクも国内生産にシフトすべきだと誰もが思っている。
食料も同じことで、世界における異常気象、極めて不安定な国際情勢、そこへ新型コロナウイルスが感染拡大し、リスクが増えている。37%という食料自給率は、国にとって不安要素だ。お願いしたいことは、農家だけ「がんばろうね」ではなく、日本の農業を安全保障という意識を含めて、国民がこぞって応援して支えていく。そういう意識の転換が求められている。

−−消費喚起のための「GoToキャンペーン」は、巨額の事務委託費が批判されたのを受け、全体事務局を取りやめて各事業を管轄する省庁が(執行事業者を)選定することになった。

農林水産省が(選定を)担当するのはいいことだ。2003億円の予算のうち事務費は469億円。この事務費は当然圧縮できる。お店に回せる金額を少しでも増やすのが合理的。事業の企画力、遂行力、提示してきた金額のすべてを総合的に評価、国民の皆さんが納得して理解してもらえるよう、第三者委員会を設け、執行状況もチェックする。

−−和牛の精子や受精卵の管理厳格化と海外流出防止に向けた2法が今国会で成立した。

日本の和牛は先人が長い時間をかけて改良し、今では世界に類を見ない素晴らしい日本の宝となった。これを日本の強みとしてしっかり残していかなければならない。
家畜は植物のように「同一世代でその特徴が十分均一」「何代増殖しても特性が安定している」という特性がない。また、家畜は植物のUPOV(植物新品種保護)条約のような国際条約がなく、外国での権利保護について実効性を得る仕組みがない。だから、家畜改良増殖法改正と新法の家畜遺伝資源不正競争防止法の二つの法案の成立はとても大きいと思う。
これにより、許可を受けた家畜人工授精所でないと精液や受精卵を扱ってはいけないことになった。違反した場合は差し止めもできるし、罰金も引き上げた。かなりの抑止力になると思う。

−−今国会で成立が見送られた種苗法改正案は、優良品の海外流出防止策については理解できても、登録品種の自家増殖に許諾制を導入することについては懸念の声もある。

まず言いたいのは、農業は競争だということ。国内だけでなく、国際的なマーケットに出れば国と国との競争もある。日本の和牛の精液や受精卵と同じように、日本の強みが海外に流失しないようにするのは普通に大事なことだ。
競争だから優良な種苗の開発努力は尊重されるべき。他の国も努力するので、いいものをどんどん作っていかないと。時間と労力をかけて作ったものが第三者に渡って増やされてしまえば、開発する意欲も失せてしまい、日本の競争力は落ちていく。
登録品種の自家増殖に許諾制を導入することに懸念があるのは分かるが、種苗を一度購入すればいくらでも増殖できるのでは、新品種の開発意欲が失われる。だから、登録品種の自家増殖について品種開発者の許諾に基づいて行うこととしたい。
ただ、一般品種を用いる場合は許諾も許諾料も必要ない。そもそも、品種改良者の許諾が必要な登録品種は、コメ16%、ミカン2%、リンゴ4%しかない。例えば、コメの「コシヒカリ」「ひとめぼれ」「あきたこまち」は、すべて一般品種だから許諾も許諾料もいらない。宮崎では「ヒノヒカリ」「コシヒカリ」が一般品種で、「おてんうそだち」が登録品種。
種苗法は産地の農業者の利益を守るために重要な法案。農家の所得向上にも貢献すると考えており、法案の内容には自信がある。引き続き丁寧に説明しながら次期国会での成立を目指したい。

−−インターネットでのユニークな取り組み「BUZZMAFF(ばずまふ)」を拝見した。大臣の記者会見が宮崎弁のアフレコで紹介されるなど面白くて飽きない。お堅いイメージの霞が関では初めてと聞いた。

情報は発信しないと意味がない。お金をかけずに農業を元気にし、農林水産業を国民の皆さんに理解してもらいたい。特に若者に農業の魅力を発信し、農業を分かってもらい、就農してもらうための情報発信ツールとしてインターネットを提案したところ、若手の官僚諸君が食い付いてきた。直属の組織として、局長や課長の許可は不要、私の許可もいらないから勝手にやるよう指示した。毎日1本は更新し、私もいじられたが、それで視聴者が増えるのであれば構わない。

−−残念ながら内閣支持率が落ちてきた。早ければ年内にも衆院解散がささやかれている。

解散については総理がお決めになること。私から言えないし、言いません。おやじからは「いずれのタイミングでも国民の審判を受けることを恐れてはいけない」と言われてきた。その通りだと思う。
今回、これだけの補正予算を2回組んでも批判や叱責がある。反省を含め、真摯(しんし)に受け止めなければならない。政治はいつも批判の目にさらされるべきで、とにかく毎日、一生懸命に悔いなく過ごしている。

−−最後に宮崎の地元の皆さんにひと言。

いろんな対応に追われ、今年は一度も帰れないまま。宮崎が恋しくてたまらず、宮崎の空気を吸いたいが、今のところ帰れそうにない。(コロナ禍が)発災以来、あらゆる業界の皆さんから厳しい状況が知らされている。夏休みに向かってGoToキャンペーンもやるので、県民の皆さんが助け合って乗り切ってほしい。

◇江藤拓農水相=門川町出身。衆議院議員を務めた父の故隆美氏の秘書を経て、2003年の衆院選で初当選。現在6期目。農林水産副大臣、衆議院農林水産委員長、首相補佐官などを歴任。19年9月から現職。59歳。

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