県立延岡病院ＤＭＡＴ医師が活動報告
本紙掲載日：2020-08-06
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７月豪雨被災地に派遣
延岡市新小路の県立延岡病院（寺尾公成院長）で７月２８日、災害派遣医療チーム（ＤＭＡＴ）の活動報告があり、熊本県球磨川流域の豪雨被災地に派遣された長嶺育弘医師と齋藤勝俊医師（ともに救命救急科）が、活動内容などを語った。
ＤＭＡＴとは、大規模災害などの現場で急性期（おおむね４８時間以内）から活動できる機動性を持った医療チーム。トレーニングを受けた医師、看護師、業務調整員で構成する。
同病院からは２隊派遣され、第１隊は７月５〜７日に長嶺医師、森久保裕さん（看護師）、興梠育美さん（業務調整員）、�盒鏡燭気鵝米院砲裡歓諭Ｂ茖佳發脇隠隠魁腺隠菊�に齋藤医師、新井美紀さん（看護師）、橋口佳慎さん（同）、長友俊樹さん（業務調整員）の４人が活動した。
医療ニーズや物資ニーズの調査が主な任務だったという第１隊は、初日に水俣市や人吉市などで病院や老健施設、避難所を調査。２日目は避難所で診察にも当たった。
◆避難所、コロナ対策意識
長嶺医師は「１日目の調査で『大丈夫』と言っていた病院が、３日目ぐらいには『支援をしてほしい』という状況になった。時間とともにニーズは変わっていくのだと感じた」。避難所の新型コロナウイルス感染防止対策については、水俣地区の様子を写真で紹介。「かなり意識して運営しているのが印象に残った。避難者の密度が少なく、ダンボールなどで間取りが行われていた」と語った。
第２隊は人吉保健所内の保健医療調整本部でチーム運用の役割を務めた。齋藤医師は「必要な所に必要な数だけの医療チームを派遣することが役目だった。役割が保健所に移行した後も、保健所の事務作業が増えないよう工夫した」と振り返った。
また、被災地で活動するさまざまな医療チームが、大事な情報をすぐに共有することの重要性を感じたという。「われわれが行った時には、それぞれの活動場所で既に（無料通信アプリの）ＬＩＮＥ（ライン）グループをつくっており、本部からの情報やチームの情報をみんなで共有していた」。被災地で活動していた他県職員の新型コロナウイルス感染が判明した際も役立ったといい、「関連情報の一斉送信で避難者の不安軽減に有効だった」と語った。
ただ、新型コロナの感染者が出た時の対応では、熊本県庁内の災害対策本部から明確な答えが得られなかったという。齋藤医師は「われわれとしても災害の時に感染者が出たらどうするのかを考えておく必要がある」と課題を挙げた。
活動報告には寺尾院長をはじめ、医師や看護師ら院内から約６０人が出席し、２人の話に聞き入っていた。