県内は３人−新型コロナ感染者

１４日、日南市の中学校教職員ら

　県と宮崎市は１４日、新型コロナウイルスの感染者が県内で新たに３人確認されたと発表した。新規感染者は宮崎市の５０代男女２人と福岡県の１０代男性。感染者数の県内累計は２７７人となった。

　新規感染者のうち５０代女性は日南市油津中学校の教職員で、１３日に発表された７０代の母親と宮崎市内で同居。症状はなく、８日からは自宅で過ごしていたという。

　日南市学校教育課によると、女性と接触のあった生徒や職員はいないことを確認。同校は夏休み中の部活動開始日を１７日から２０日へ延期した上で、１９日に校内を消毒するとしている。


◆高鍋町の２人は２６８例目の家族

　１３日に発表された新規感染者（１２日検査分）のうち３人の行動歴なども報告され、高鍋町の７０代女性と３０代男性は、２６８例目となる６０代男性の家族と判明。一家で事業を営み、濃厚接触の可能性がある同僚と顧客の計４８人もＰＣＲ検査を受けたが全員陰性で、さらに追跡調査や検査を進めていくという。


◆復帰した人に人権的配慮を−渡辺県福祉保健部長が訴え

　渡辺善敬県福祉保健部長は今週に入って１桁台で推移している新規感染者数について、「減少傾向にある」と受け止めていると述べ、感染して入院や療養を終えた人への人権的配慮を改めて訴えた。

　渡辺部長は感染した人の接触者を追った積極的なＰＣＲ検査や、クラスター（感染者集団）が発生した延岡・西臼杵と西都・児湯地域への外出自粛要請、県内飲食店への休業要請に対する協力などにより、感染拡大の封じ込めができていると分析。国のクラスター対策班からも一定の評価を受けていると語った。

　一方で、感染して入院治療を受けたり宿泊療養施設で過ごし、復帰した人たちに対する周囲の誤解や偏見を懸念。厚生労働省が「退院時点で他人への感染性はなく、退院した人は職場復帰が可能」と基準を定めていることを強調した。

　退院した人たちに対しては、まれに再度陽性となる事例もあるため、退院後４週間は―▽石けんやアルコール消毒液による手洗いやマスク着用など一般的な衛生対策を徹底▽発熱（３７・５度以上）の有無など健康状態を毎日確認▽せきや発熱などの症状が出た場合は速やかに保健所へ連絡―するよう指導しているという。

　県はこうした知見や対応の周知に努めつつ、「新型コロナに感染された方への思いやりを持ち、正しい情報に基づく冷静な行動をお願いします」と呼び掛けている。