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指針守って拡大防止・行政と3団体飲食店を巡回
県と市町村、飲食関連3団体は1日、新型コロナウイルス感染拡大防止のためのガイドライン(指針)の飲食店の順守状況などを確認するため、初の県内一斉点検を行った。延岡市や日向市、高千穂町などでも関係者が飲食店を巡回点検するとともに、感染防止対策への理解を求めた。
県内全域の飲食店に対する県の休業・時間短縮営業の要請が解除された先月17日、県と市町村、飲食関連3団体はガイドラインの順守などに一丸となって取り組むため、共同宣言に署名。取り組みの一つとして、毎月1日を「県内一斉ガイドライン点検の日」と定めている。
◆延岡−永山副知事らが参加=
クラスター(感染者集団)が発生した延岡市の点検には、読谷山洋司市長や市の幹部・担当職員、県飲食業生活衛生同業組合延岡支部など関係団体の代表者らのほか、県から永山寛理副知事と新型コロナウイルス対策特命チームの職員らも参加。
点検に先立って市役所で意見交換会があり、関係団体からは、「休業など、懸命に協力した分、飲食店は苦しんでいる」「来客がない上に消毒徹底の資金だけがかかり、経営を圧迫している」などの意見のほか、大企業や公務員などの動きを期待する声なども上がった。
点検は市内繁華街の中央通りや船倉町、新町などで行われ、意見交換会出席者の2班と、県や市職員らの4班で焼肉店、スナックなどを巡回。飛沫(ひまつ)を防ぐためのカウンターへのアクリル板の設置や検温など店の経営者から感染防止の取り組みの説明を受けていた。
県飲食業生活衛生同業組合延岡支部の高田重幸支部長は「ガイドラインは守っているつもりだが、再度確認をし、実行したい」。永山副知事は「食は市民を支える基礎。県としても感染拡大防止と経済活性化の両立に努めたい」、読谷山市長は「延岡の飲食店は安全という理解を広げるスタートにしたい」と話していた。
◆日向−コロナをぶっ飛ばせ
日向市では午後7時30分から市役所市民ホールで出発式。十屋幸平市長をはじめ県職員、市観光協会、日向商工会議所、県飲食業生活衛生同業組合日向支部などから約60人が参加した。
十屋市長は、「県では、経済と感染防止活動のアクセルとブレーキを同時に踏みながら進めていくと決めた。市民が安心して(飲食店に)行ける環境と感染対策にしっかり取り組んでいきたい」とあいさつした。
その後、日向商工会議所の三輪純司会頭が景気付けのあいさつ。「コロナをぶっ飛ばせ」の掛け声に、参加者は「オー!」と合わせて拳を掲げて出発。17班に分かれて巡回し、市独自のポスターなどを配布した。
炉端焼き「八幡」=上町=のスタッフ渋谷辰徳さん(36)によると、市で感染者が出てから急激に客足が少なくなった。「緊急事態宣言の時とは比べものにならない。本来は毎月8日だけの割り引きの日を続けているが、入りはなかなか。警報レベルが2に引き下げられたので9月の連休には期待しているが、いつお客さんが戻るのか不安でいっぱい」と話した。
◆高千穂−他市町村のモデルに
高千穂町では、町役場、西臼杵支庁、県飲食業生活衛生同業組合高千穂支部、町商工会、JA高千穂地区、町観光協会の役員21人が参加。7班に分かれて、同町三田井の飲食店約40店を回り、ガイドラインの実施について確認した。
同町役場で出発式があり、甲斐宗之町長が「高千穂町の取り組みが他市町村のモデルになるように協力していただきたい」とあいさつ。参加者は雨の中、飲食店を訪れ、店の責任者と一緒に対策を確認した。
点検を受けた居酒屋「無我夢中」の松本和幸代表は「今までこういうチェックはなかったので点検があって良かった。どんな対策の仕方が良いのかを考えるいい機会になった」と話した。
県飲食業生活衛生同業組合高千穂支部の興梠詔保支部長は「観光地だからなおのこと感染対策は重要。もう一度対策を見直してもらい、お客さんに安心して来ていただけるようにしていきたい」と話した。