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桜の枯れ木にアジサイ

本紙掲載日:2020-09-03
7面

 「花咲かじいさん、枯れ木に花を咲かす…なんてね」とうれしそうに話すのは延岡市下三輪町の柳田三十四さん(80)=写真=。桜の枯れ木にアジサイの芽がつがり、元気に成長しているのを見つけた。

 場所は、下三輪町から沖田ダムへ向かう市道青谷城(あおやぎ)線の登り口付近。もとは木や竹で覆われて茂みのようになっていたが、10年ほど前に草を刈り、木や竹を伐採し、約300メートルにわたってアジサイや彼岸花を植えて整備してきた。

 時間を見つけては通っており、この日は約20日ぶり。ベンチやテーブルを置いて、小さな公園のように整備したスペースを手入れしている時に桜の枯れ木を見つけた。取り除こうとすると何かが引っ掛かったためよく見ると、裏側にアジサイの芽がしっかりつがっていたという。

 毎日のように草木の手入れをしている柳田さんにも初めてのことで「こんなことないよ。まぐれだよ。人がしようと思ってもつがるもんではない」。枯れ木のため、水分が少ない中で育っている姿に「頑張っているなと思って」と目を細めた。

 整備している区間には約330本のアジサイを植えており、今年も初夏に美しい花を咲かせた。柳田さんはアジサイの芽が落ちた真上に、桜の枯れ木が落ち、その栄養分を吸って育ったのではないかと考えている。

 「(これを見つけて)何かいいことがあるかも」とにっこり。湿った地面の上に置き直してやり、将来花を咲かせることを心待ちにしている。

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