「ひなたＷＯＭＡＮ」（４９）高千穂天照（高千穂町）・橋本美代子さん

食を通じて子育て支援

　「男女共同参画社会は家庭から」をモットーに、食を通じた子育て支援や講演会開催などに取り組むボランティア団体「高千穂天照（てんてる）」の代表を務める。

　「発足して２０年余り。子育て支援センターを利用する若いお母さん方を対象に、地元食材を使った郷土料理教室を開いています。転勤族も多く、ここに来る前は育児で悩んでいた方が、友達がたくさんできて元気を取り戻して帰っていかれるのを見ると、本当にうれしいですね」

　町社会福祉協議会が実施する高齢者ら向けの「ふれあい給食サービス事業」にもスタッフとして参加。昨年５月には、食育・地産地消推進への貢献が認められ、みやざきの食と農を考える県民会議（会長・河野知事）の功労者表彰を受けた。

　「以前は若者の出会いの場づくりにも力を入れ、１組ですがカップルを誕生させたんですよ。いい思い出です」

　生まれ育った大阪で今の夫と知り合い、夫の帰郷に伴い、縁もゆかりもない高千穂へ。２５歳の時だった。延岡から列車に揺られ降り立つと、思いのほか家が多かったのが印象に残っているという。

　「一番大変だったのは方言。特にお年寄りの言葉が聞き取れず、苦労しました。そんなとき、隣に住んでいた小学生が話し相手になってくれて随分と助けられました。でもね、住めば都。３人の子どもも生まれ、今は人情豊かなこの地が大好きです」

　メンバー７人の平均年齢が８０歳近くになり、後継者の育成・確保が差し迫った課題だ。

　「人口は減り、若者は県外志向。行政や、同じ悩みを抱える他地域とも連携しながら、何としても克服していきたい」