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「癒やしの写真館」白岩山〜向坂山五ケ瀬町

本紙掲載日:2020-10-17
7面

◆深まる秋、色づく山

 朝晩に秋の深まりを感じる中、標高1500メートルを超す山々が連なる九州中央山地では早くも紅葉が見頃を迎えつつある。色は薄いものの、赤や黄色に色づいた木々の葉が日差しに映えている。

 九州最南端のスキー場がある五ケ瀬町の向坂山(標高1685メートル)。ブナなどの原生林が広がる登山道沿いは紅葉の名所だ。

 山頂付近ほど色づきが早く、真っ赤な紅葉と青い空とのコントラストが鮮やか。白い枯れ木が一幅の絵のようにアクセントを添えている。
樹上でガーガーと鳴くのは貯食性のあるホシガラス。冬に備え、木の実などをくわえて忙しく飛び交っている。

 隣り合う白岩山(標高1647メートル)は「お花の山」として知られる。石灰岩峰植物群落として県の天然記念物に指定される山頂では、イワギク(キク科)が白く愛らしい花を咲かせていた。

 周辺では、鮮やかな紫色をしたトリカブト(キンポウゲ科)の花もまだ見られる。高地を好み、猛毒がある。名の由来でもある烏帽子(えぼし)に似た形の花が、過ぎゆく秋を惜しむようにひっそりと咲いていた。

 紅葉は次第に山を下り、やがて錦秋の季節を迎える。

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