コロナリポート−休止状態・文化団体を応援

延岡総合文化センターが企画−合唱や演奏舞台で収録

◆ワイワイテレビで放送

　「コロナ禍で十分に活動できない文化団体、生の文化に触れる機会のない市民に元気や希望を与えたい」―。延岡市東浜砂町の延岡総合文化センターは、同市の文化団体を応援する番組を企画した。同センターで発表する様子を収録し、ケーブルメディアワイワイで放送する内容。１０日に収録があり、観客のいない会場に美しい歌声や力強い楽器の音が響いた。

　同センターによると、コロナ禍でイベントがない中、地上波などのテレビでクラシック音楽などが特集されるのを見て「文化センターでも何かできないか」と企画。当初８月上旬に予定していたが、県内の感染拡大などで施設の閉鎖もあり、２度の延期を経て実施した。

　「コロナに負けるな！私たち頑張っています」と名付けられたこの企画は、同センターが主催、ケーブルメディアワイワイ、延岡市文化連盟の共催、旭化成がスポンサー協力して実現した。

　同連盟に所属し、同センターで発表会等を予定していて実施できなかった５団体が参加した。

　その一つ「延岡少年少女合唱団」の工藤由紀子代表は企画を提案され、「なんて粋な試みなんだと感謝の気持ちでいっぱいになった。ありがたくて飛びついた」という。小中学生１５人が所属する同団も、２月末にイベントで歌ったのを最後に全ての機会が失われ、結成４０周年記念として５月に予定していたコンサートも１年延期していた。

　飛沫（ひまつ）感染が懸念される合唱だからこそ、練習も気を使った。休校期間、部活動の停止期間中は活動中止にし、再開後は学校と同じく消毒や換気を徹底。熱中症を心配し「歌う時だけマスクを外そう」と呼び掛けても、感染への恐れからか、マスクを着用したままの子どももいた。

　収録に向けて一番苦労したのが表情づくり。「毎日マスクをしているため、笑うことを忘れている子どもがいた。表情がテレビを通してしっかりと伝わるため口角を上げる練習に力を入れた」。フェースシールドを購入して、思い切り練習できるよう工夫。本番は「橋の日の歌」など４曲を豊かな表情や振り付けを交えて歌った。

　「通常の利用の形に戻るにはまだまだ時間がかかりそう」という同センターは、「少しでも文化に触れる機会を提供できるよう、今後も主体的にさまざまな企画を検討していきたい」と話した。

　ケーブルメディアワイワイは１１月２３日から２７日までの５日間、午後７時から、収録した内容を１団体ずつ放送。また、同２８、２９日の午後７時からは５団体まとめて放送予定という。

　放送予定の団体名、放送順は次の通り。

延岡日本舞踊協会▽県北歌謡連合会▽日向乃國延岡雲海太鼓▽延岡少年少女合唱団▽延岡フィルハーモニー管弦楽団