修学旅行で県北へ

多くの公立小学校−行き先を県外から変更

◆４〜６日、都城市などから３校

　新型コロナウイルス感染症の影響で、県内の多くの公立小学校が修学旅行先を従来の鹿児島県などから県内に変更している。４〜６日にかけては、延岡市にも県内の三つの小学校が訪れた。児童らは市内のホテルに宿泊し、施設見学や城山など、県北を学びながら観光した。

　このうち都城市立菓子野小学校（有村浩治校長、９７人）は、高千穂町、延岡市などを巡る日程で６年生２２人が修学旅行を楽しんだ。

　２日目の５日は、午前中に延岡市旭町の旭化成延岡展示センターを訪問した。施設職員の案内を受け、電子ブロックを使った実験や旭化成の創業者・野口遵に関するＤＶＤを鑑賞。また、センター内を見学し、旭化成が作っている製品や会社の歴史、延岡市などについて学んだ。

　赤池瑠香さん（１２）は「旭化成が日常生活の中でいろいろ役に立っていることが分かった」と感想。初めての延岡市で「城山公園の千人殺しの石垣は、たった一つ石を外すだけで崩れると聞いてびっくりした」と驚いた様子だった。

　有村校長によると「バスでの移動も修学旅行の楽しみ」と職員で話し合い、距離の離れた県北地域を旅行先に選出したという。「県内で観光バスに乗ることはめったになく、驚きが多々あった。職員も児童もとても喜んでいた」と話した。

　延岡市は県内への変更の動きを踏まえてこれまで、小林市やえびの市、都城市などの小学校を中心に、直接出向いてモデルコースの提案、作成したパンフレットの送付など、誘致活動に取り組んできたという。同市観光戦略課によると、観光施設や宿泊施設の大きさから、規模の小さい学校を中心に営業を行い、一時は約２０校が仮押さえをするなど来延を検討したという。

　県北では五ケ瀬町が、スキーを目玉にした修学旅行の誘致に力を入れている。同町教育委員会によると、現時点で１４校の修学旅行が決定。多くが来年１〜２月に予定しているという。