未来の〃広告塔〃にアピール

本紙掲載日：2020-12-23

6面

髙平新之助さん（左）に教わり、つみれ汁作りを体験する中学生

食の拠点施設「かわまち交流館」であった体験型学習。動画を視聴する生徒たち

おいしそうに試食した

のべおか地活隊－恒中生に「食のキャリア教育」

◆「延岡の魚、食材はおいしいよ」

　地元のおいしい食材を中学生に知ってもらいたいと、生産者や料理人が直接魅力を伝える授業が１７日、延岡市大貫町のかわまち交流館であった。市立恒富中学校（瀬戸山初博校長）の２年生８９人が参加。生産者の講話や料理人による実演、試食を通し、おいしさを体感した。

　「のべおか地活隊」（鍋田荘一郎隊長、６人）が主催する「食のキャリア教育推進事業」。同隊は、市が取り組む「東九州バスク化構想」の補助金を活用し、「延岡にはおいしい魚があることを５年後、１０年後の〃広告塔〃になる中学生の皆さんに知ってほしい」と、同市北浦町の飲食店のメンバーを中心に、今年５月ごろに結成した。

　講話では、メンバーでブランド魚「ひむか本サバ」を北浦町で養殖する中西彬裕さん（カネヲト）について紹介された動画を視聴。この中で中西さんは仕事の魅力を紹介し、「宮崎に来たらひむか本サバを食べないと始まらないと言われるようなブランドをつくりたい」と夢を語った。生徒は彬裕さんの代理で参加した父親の茂広さんに、餌や出荷量などについて質問した。

　続いて代表の鍋田さん（臨港）は、隊を結成した理由などを説明。「こういう動きをもっと広めて多くの中学生に参加してもらい、延岡の魚のおいしさを味わってもらいたい。その最初が皆さん。家に帰ったら『北浦の魚うめかった、延岡の魚うめかった』と伝えてほしい」と呼び掛け、それぞれの店や料理を紹介、アピールした。

　調理体験では、久我大輔さん（リーコ・タクナ）、髙平新之助さん（髙平屋）、髙平健生さん（丸金）が「ひむか本サバ」を使ってそれぞれ作った一品料理の工程の一つを体験。講師が特別に刺し身を作って披露する場面もあり、見事な包丁さばきに生徒は感嘆の声を上げ、見詰めていた。

　その後「さばサンド」「つみれ汁」「押しさばずし」の３品を試食。生徒は「おいしい」「お代わりしたい」と喜びながら箸を進めた。谷陽香稟さん（１４）は「どの料理もおいしかった。延岡、北浦のためを思い、この会を開いてくれたことに感動した。延岡の外に出た時、延岡の食などを自分からＰＲしたい」と話した。

　「社会に出た時、延岡市の食の魅力などを伝えてもらえれば。また北浦の魚を食べて」と呼び掛けた鍋田さんは「試食して目が輝く生徒を見て手応えがあった。まずは市内を、最終的には県内全域を回り、延岡の食の魅力を伝えたい」と話した。来年２月には北浦中でも実施予定。今後は魚だけでなく、他の食材の魅力も伝えたい考えだ。