２０２１新春インタビュー（１８）−林田洋二宮崎太陽銀行頭取

お客さまの経営改善、再生へ

◆資金繰り、本業のお手伝いに取り組む

――昨年は世界経済が新型コロナウイルス感染症という未曽有の事態に見舞われましたが、県内経済にはどのような影響がありましたか。

　昨年の県内経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるインバウンド需要の急減、国内での不要不急の外出やイベント開催の自粛、サプライチェーンの行き詰まりなどにより個人消費や生産活動が停滞したことで、県の主要産業である観光業や、飲食業、宿泊業といったサービス業をはじめとした幅広い業種で売り上げ減少などの影響を受けました。

　地元事業者さまにおかれましては、非常に厳しい環境下での事業運営を余儀なくされた年であったと認識しております。

――世界ではワクチン接種が開始されるなど、明るい話題も出てきています。今年はどのような年になると感じていますか。

　厚生労働省によれば、国内では２月下旬の医療従事者等への接種を皮切りに、高齢者、基礎疾患を有する方等の順にワクチン接種が進められる見通しとされております。

　国内全体へのワクチン接種の普及により感染が収束することで、現在停滞している個人消費や企業の生産活動等が持ち直し、一日でも早く、地元経済が復調に向かう年になることを期待しております。

――新型コロナで打撃を受けた事業所などをどう支援されていますか。今後の対策についてもお聞かせください。

　ワクチン接種といった医療対策の進展に期待を寄せながらも、現時点では、引き続き、感染防止策の徹底と、ポストコロナを見据えた新しい生活様式に即した事業運営に向けた対応を進めていかなければなりません。

　当行におきましては、地域金融機関としての役割を果たすべく、売り上げ改善に向けたお客さまへの販路開拓のお手伝いのほか、コロナ禍での衛生管理や販売チャネルの多様化など、新しい生活様式に即した事業運営の実現に向けた本業のお手伝いに取り組んでおります。

　引き続き、お客さまと十分に話し合い、地元関係機関や政府系金融機関等との連携も図りながら、資金繰りや本業のお手伝いといったお客さまの経営改善、事業再生につながる取り組みに努めてまいりたいと考えております。

――感染拡大を教訓に生活様式や働き方なども見直されていますが、御行の取り組みを教えてください。

　当行では、常日ごろからのマスク着用や手指消毒の徹底、店頭での飛沫（ひまつ）防止シートの設置のほか、行員とその家族の健康観察の常時実施、感染状況に配慮したお客さまへの訪問活動、研修や各種会議、採用活動のオンライン実施等の感染防止策に努めております。

　また、現在、県独自の緊急事態宣言下にあることから、県の行動要請に応じた行動を順守するため、県が示す「『緊急事態宣言』下で控えるべき１０の行動」に即した取り組みを実施しております。