県地域文化功労者教育長表彰

塩月眞さんに伝達−延岡市教委

◆若山牧水顕彰に尽力

　県地域文化功労者教育長表彰を受けた延岡市の塩月眞（ただし）さん（９０）への表彰伝達式が１月２８日、同市役所であり、澤野幸司同市教育長から表彰状と盾が手渡された。塩月さんは「表彰式のちょうど４カ月前に満９０歳になったことも兼ねてこの表彰を大変うれしく思っている」と喜びを語った。

　塩月さんは若山牧水延岡顕彰会の副会長を務め、２００７年から１７年まで会長として顕彰活動をリードしてきた。「牧水文学揺籃（ようらん）の地」として延岡の立場を全国に発信し、市民の地元への誇りをつくり上げるなど大きな役割を果たした。現在は、同会相談役として尽力している。全国牧水顕彰会副会長も務め、長年にわたり郷土の歌人・若山牧水の顕彰活動に奮闘している。

　また、「牧水調朗詠」を継承し、牧水歌碑祭や牧水生誕祭などのさまざまな催しで朗詠を披露し、多くの人に慕われている。牧水の生誕１００周年の際には、１年間にわたって新聞に顕彰記事を掲載。それをまとめた著書「牧水の風景」なども刊行し、牧水研究の貴重な資料として活用されている。このほか、朗詠を記録したＣＤ「若山牧水の歌」などの制作も行っており、牧水の歌や生涯を後世に伝えている。

　塩月さんはこれまで、０１年に最高裁判所長官表彰、０３年に藍綬褒章、１５年には第６６回延岡市文化功労者（学芸文化部門）など数多くの賞を受けている。

　県地域文化功労者教育長表彰は、長年にわたり芸術文化の向上、普及または文化財の保存や活用に尽力し、地域文化の振興に顕著な功績のあった個人、団体に贈られるもので、今年度は他に、日向市の橘ひょっとこ踊り保存会、五ケ瀬町の元五ケ瀬町文化財保存調査委員会委員長の曽我部善一さんが受賞した。