岡田商店（美郷）の椎茸パテ

全商連バイヤーズルームでＳＩＬＶＥＲＡＷＡＲＤ受賞

　全国商工会連合会（東京都千代田区、森義久会長）主催の第１回「ｂｕｙｅｒ，ｓｒｏｏｍ」（バイヤーズルーム）の審査会がこのほど行われ、美郷町北郷の岡田商店（岡田栄一社長、大正元年創業）が出品した「椎茸（しいたけ）パテ」が食品部門のＳＩＬＶＥＲＡＷＡＲＤに選ばれた。最高賞の経済産業大臣賞は「いぶりがっことチーズのオイル漬」（秋田県）だった。

　バイヤーズルームは、地域の資源、技術の活用、商工会の支援で開発された特産品の普及や中小・小規模事業者の販路開拓の支援が目的。商品開発や販路開拓の課題を、バイヤーやシェフなど流通関係者と共に解決する取り組みの一環で、日本各地から１００商品（食品８６、非食品１４）の応募があり、総勢３９社の流通関係業者が審査員となり、昨年１０月に厳正な審査が行われ、最高賞ほか、中小企業庁長官賞に「京都が育んだキノコの濃熟ポタージュ」（京都府）、ＧＯＬＤＡＷＲＡＤに４点（食品部門２、非食品部門２）。ＳＩＬＶＥＲＡＷＡＲＤは、岡田商店と、甜杏仁豆腐プレミアム（東京都）と尾花沢牛肉塊ハンバーグ（山形県）。さらに、２６点が審査員特別賞に選ばれた。

　椎茸パテは、「乾椎茸のイメージを〃オシャレ〃に変えよう！」をコンセプトに同商店の常務で、だしソムリエの資格を持つ岡田光さん（３８）が、「すぐに食べられる商品を」「現代の食卓にも合う食べ方を」と、試行錯誤を重ね考案。原料は県産原木干ししいたけ、県産ニンニク、岩塩、圧縮一番搾りの菜種油。発案から３年がかりで〃無添加〃にこだわった製品が完成、９０グラム入り、８８０円の「椎茸パテ」を２０１５年３月に発売した。これまでに約４万５０００個を販売している。

　「うまみと香りを最大限に引き出す『冷水でじっくり戻し、高温で加熱』のプロセスを丁寧に順守して製造しています。戻し加減や加熱の見極めが難しいため、一つ一つ丁寧に手作りしてます」と光さん。バゲットにのせたり、パスタやリゾットのソース、調味料としても使え、食べ方はさまざま。
　
岡田社長は、「椎茸パテを作ったことにより、乾椎茸本来のおいしさやだしのうまみを再認識させることができたとともに、乾椎茸の素晴らしさを若い世代にも伝えることが出来ました」と話している。

　椎茸パテは、同商店のほか、県北では門川町のサンシールさの、延岡駅前複合施設エンクロスで販売している。