卒業前に恩返し−北方学園中３年生２７人

閉校の４小学校、感謝の清掃活動−延岡市

　延岡市北方町の北方学園中学校の３年生２７人が１０日、２０１４年に閉校した同町内の４小学校で清掃活動を行った。各小学校は生徒たちが小学校２年まで通っていた場所。「お世話になった学校に恩返しがしたい」と考えた生徒たちが卒業前に実行し、積もったほこりや落ち葉などを拾い、記念碑も磨いた。閉校後はすっかり静かになってしまった校舎に久しぶりの声が響いた。

　閉校した同町内の北方小、三椪小、美々地小、城小は、小中一貫の北方学園に統合され、旧北方中学校の場所で新たな歴史を歩み始めた。３年生にとっては２年間通学した場所だった。

　年間を通じて地域に感謝の気持ちを伝える活動を続けてきた生徒たちが、今月１６日の卒業を前に考えた活動が旧学校の清掃。これまでさまざな場所で活動してきたが、旧学校での清掃は初めてだった。

　当日は午前中、三椪、美々地、城で、各小学校の出身生徒を含む１班９人が作業。久しぶり入った校舎内にはほこりがたまり、校庭には落ち葉が積もっていた。生徒たちは約２時間半、ほうきやブラシなどを使って拾い、最後は記念碑を磨いて旧校舎に感謝の気持ちと卒業の報告を伝えた。

　城小出身の甲佐みゆりさんは「みんなと過ごしたいろいろなことを思い出した。最後まで支えてくれた校舎をきれいにして卒業したいという気持ちで掃除しました」。美々地小の山岡大心さんは「先生も生徒たちも仲良かったので、懐かしいの一言。２年間、自分たちを支えてくれた校舎なので感謝の気持ちで掃除しました。卒業後は自分の夢に向かって頑張りたい」と話した。

　午後は２７人全員で北方小を清掃。校舎は現在、市内の企業や市教委北方分室などで使われているため、これから見頃を迎える桜並木の掃除や相撲場のシートの引き直しなどを行った。