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生活の中にある美(11)−県北の土木構造物

本紙掲載日:2021-03-19
7面

渓谷の町の交通向上


◆天翔大橋と波瀬大橋(日之影町)

 日之影町の天翔大橋は橋長約463メートル。アーチスパン(支柱間の距離)は260メートル、水面からの高さは143メートルで、ともにコンクリートアーチ橋の中で建設当時日本一を誇った。

 県が1996年、ふるさと農道緊急整備事業の一環で着工。2000年に完成した。総事業費は67億円。橋の照明に電力を供給する風力発電装置を国内で初めて取り付けた。橋名は公募で決定。21世紀の懸け橋となるように、との思いが込められている。

 同年、土木学会田中賞とプレストレストコンクリート技術協会賞、農業土木学会賞(現・農業農村工学会賞)を受賞。02年は、fib(国際コンクリート連合)賞(土木構造物部門)の特別賞に輝いた。

 五ケ瀬川にまたがり、岩井川松の木地区と七折高巣野地区を結ぶ。両区間を行き来するには、カーブが連続する離合困難な急勾配の町道を通らなければならなかったが、橋の完成で距離約2キロと時間約10分が短縮された。

 同町の波瀬(はぜ)大橋は、1979年に完成した上路式のトラス橋。国道218号にあり、五ケ瀬川水系の長谷川をまたぐ。完成当初は灰色だったが、現在は、橋の色としては珍しいピンク色に塗り直されている。

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