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鉄道が通って発展−民話残る文化の町(1)

本紙掲載日:2021-04-30
6面

延岡市伊達町、共栄町、構口町、平原町、若葉町

 JR日豊線の西側、愛宕山の麓に位置する延岡市伊達町、共栄町、構口町、平原町、若葉町を訪ねた。一帯は、南延岡駅の完成後に住民が増え、発展していった。日豊線に沿って地域を縦断する旧国道10号は、バイパスに国道の座を譲り、県道稲葉崎平原線となった今も、朝夕は通勤車で渋滞する。その緩和のため、現在、拡幅工事が進められている。地域の人たちが昔から大切に祭ってきた神社、子どもたちの通う学校、文化や学習の場になっている施設などを紹介する。


◆地域の誇り、今こそ知って−伊達の〃疫神さん〃(伊達町1丁目)

 伊達八幡神社近くの山陰に、ひっそりとたたずむ「伊達疫神(えきじん)」の社。疫神は一般的に疫病をもたらす祟(たた)り神とされており、伊達区(渡部昂一区長)では毎年10月、同神社の神事と併せて、疫病を鎮める神事を執り行い、長年大切に祭ってきた。地域の人たちからは〃疫神(えきがみ)さん〃と呼ばれている。

 ところが、地域の人でも「八幡さんは知っているけど疫神さんは知らない」という人が意外と多いという。そんな中、新型コロナウイルスがまん延。地域の人たちから「今こそ改めて疫神さんを大切にしないといけない。もっと多くの人に知ってもらいたい」との声が上がり始めた。

 そこで今年に入り同区の文化部を中心に、老朽化していた社や足場を改修。参拝する時に危なくないよう、新たに手すりや柵を取り付けた。また3月には、県道稲葉崎平原線沿いに「伊達疫神様入口」と書かれた案内板も設置された。近くに住む竹井裕子さん(72)と田中良子さん(77)は、日頃からよく手を合わせ、社周辺の掃除を続けてきた。地域挙げての今回の取り組みに「城戸富義さんをはじめ、これまで地域の先輩たちが大切にお祭りしてきたことを忘れてはいけない。これでようやく日の目を見ると思うと、本当にうれしい」と喜ぶ。

 文化部の部長、木村英弘さん(56)は「疫神さんの由緒は不明だが、われわれの先人たちが脈々とお祭りし、つないできたことを誇らしく思う。同時に次の世代につないでいかなければと強く思う」と話す。



◆太郎兵衛狐が仕えた神様−伊達稲荷神社(伊達町1丁目)

 伊達町1丁目の交差点近く、愛宕山の麓に「伊達稲荷神社」がある。小さめの赤い鳥居が目印。手すりの付いた細く古い石段を上った先に、同じく赤の社が出迎える。

 同神社には「柞ケ谷(いすがたに)の太郎兵衛狐(たろべえぎつね)」の民話が伝わる。「伊達稲荷大明神」の使いといわれ、愛宕山の柞ケ谷にすんでいたという狐の話。村の人たちから慕われていた庄屋の太郎兵衛さんに化けてしまうため、村の人たちから「太郎兵衛狐」と呼ばれていたという。

 いたずら者の太郎兵衛狐と村人とのほのぼのとしたエピソードは、地元に代々引き継がれてきた。

 1990年4月、平原町の甲斐進さんが子どもの頃に祖母から聞いた話を、延岡弁を使って「延岡の民話柞ケ谷の太郎兵衛狐の話」と題した小冊子にまとめた(全6話)。甲斐さんはその後、保育園や幼稚園、老人クラブなどを回って語り、広めた。

 その後、2004年に発足した「延岡の語り部萌(もえ)ぎの会」の会員らが語り継いでいる。

 同社では毎年春に、地元の人たちによって祭りが開かれている。



◆書店から文化発信拠点へ−ギャラリーかわなか(伊達町3丁目)

 企画画廊として、国内外のさまざまな有名アーティストの作品や延岡にゆかりのある人たちの作品、芸術品を扱う「ギャラリーかわなか」は、1994年12月オープン。川中誠光堂が営む。

 もとは小さな書店として伊達町で50年8月に開業。地域の人たち、学校帰りの中高生らに愛された。

 川中啓二代表によると、書店では、取引のある出版社や本の取次会社を通して、美術品を販売することが多いという。当時の社長が美術品好きだったこともあり、ギャラリーを開いた。

 企画展では、全国的に有名な画家や文化勲章を受けた人の作品など、中央の画廊でしか見ることができない作品も多く展示。版画、陶芸、掛け軸、草木染など種類も豊富で、遠くは北海道から作品を借りて展示することもある。

 今月17日には、県道拡張工事に伴い、旧店舗から約50メートル北側に移転新築した店がオープン。天井までの高さが3メートルある、ゆったりとした展示室に加え、喫茶スペースも整え、今まで以上にくつろげる空間が完成した。

 自社の企画展示だけでなく、貸しギャラリーとしての活用もできるようになった。個展や仲間と共に開くグループ展、さらにミニコンサートや小規模な講演会の会場としても対応していく予定だという。

 川中代表は「一流の作品を延岡の方に見てもらいたいとの思いで続けてきた。楽しんでほしい。アート、文化、歴史、音楽などが好きな人に集まってもらい、文化的発信ができていければ」と話す。

 今後は5月7〜12日に「田中英樹ガラス造形アート展」、同21〜25日に「甲斐盛豊コレクション展」、6月4〜13日に「イラストレーターみよこみよこ展」と続々予定。問い合わせ先は電話延岡32・4036。



◆世界チャンピオンを育成−旭化成柔道場(共栄町)

 旭化成柔道場は1993年3月、当時の旭化成工業愛宕社宅跡地に同市旭町の武道場から移転新築された。

 鉄筋コンクリートの平屋建てで、柔道場の他にトレーニングルーム、ミーティングルームなどの設備も整える。練習場として3面が取れ、正式試合場としても2面が確保できるため、民間では九州最大規模、全国でもトップクラスの柔道場として注目を集めた。

 落成記念行事では、ロサンゼルス五輪金メダリストの山下泰裕さんが講演(野口記念館)。完成したばかりの柔道場で少年柔道大会が開かれた。

 道場は同社の選手の練習の場であることはもちろん、柔道を学ぶ子どもたちの育成の場にもなった。完成した年の7月からは県北の中学生のレベルアップや健全育成を図ろうと、合同柔道教室を開講。旭化成柔道部のOBが指導に当たった。ソウル五輪銅メダリストの大迫明伸さんや旭化成柔道部による柔道教室も、現在まで何度も開催されている。

 また、旭化成柔道部と大学や社会人の合同練習、オリンピックや世界選手権直前の男子日本代表による強化合宿の場ともなった。現・柔道男子日本代表監督でシドニー五輪金メダリストの井上康生さん、同五輪銀メダリストでタレントとしても活躍する篠原信一さんらも、この道場で汗を流した。

 最近では、東京五輪・パラリンピックで延岡市がホストタウンとなっているドイツの柔道連盟も道場を使用。2017年11月、18年8月、19年3月と3回、合宿を実施した。期間中、小中学生との交流事業や同部、大学生、県警との合同練習もあった。

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