下三輪町のアジサイ見頃

柳田三十四さんらが整備−延岡

　各地でアジサイの花が色付く中、延岡市下三輪町から沖田ダムに続く市道青谷城（あおやぎ）線の登り口付近から、３００メートルほどの区間に植えられたアジサイも見頃を迎えている。

　植樹し、整備するのは、近くに住む柳田三十四＝みとし＝さん（８１）。１０年以上前、成長した木や竹で覆われ、茂みのようになっていた同所を散歩中、木々の隙間に桜の花を見つけたことをきっかけに「桜が見えるようにしたい」と整備を始めた。地域の人の協力を得つつ、主に１人で一夏かけて整えた場所に、２年がかりで約３３０本を植樹した。

　しかし、引き抜かれたり、モグラやイノシシに邪魔をされたり、苦労は多かった。それでも時間を見つけては除草、水やりなど手入れを続ける。体力的にもきついが「あれもしちゃろー、これもしちゃろーが元気の源になっています」。

　５月２９日には、活動に賛同してくれる地域住民らで構成された「三十四クラブ」のメンバー７人が、同所を含む２キロ超の区間を除草。「応援なしじゃ草刈りはできない」と感謝する。

　今年は、地区の人から４年前に分けてもらって育てたという「カシワバアジサイ」も、初めて白い花を咲かせた。名前の通り、葉っぱがカシワの葉そっくりで、円すい形の花が特徴。「難しい花ですわ。簡単にはつがらんかったし」と柳田さん。モグラが何度も根を掘り返すため、入れないように石を詰め込むなど「一生懸命世話をした。大事に大事に育ててやっと咲いた」とほほ笑む。

　「花を見てくれた人の言葉が励み」。今後１〜２週間が見頃という。