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音楽の灯をともし30年そして、これから(3)

本紙掲載日:2021-06-07
6面

事務局長・西山いずみさんに聞く

◆アンサンブルで心充実「よし、あしたも頑張ろう」−依頼増えてきたアウトリーチコンサート

−−団員の皆さんは演奏以外にも、さまざまなオーケストラの仕事を担っているそうですね。

 そうです。団員には必ず一人一役をお願いし、演奏だけでなく、負担のない範囲で運営にも関わってもらっています。例えば演奏会を開くときはチケット係、弁当係、DVD注文係などが必要です。皆さん、頼むと快く引き受けてくれます。コロナ禍で新たに加わった係は消毒係です。演奏時に使用する譜面台やいすは演奏者が代わるたびに消毒します。楽屋のテーブルやいす、会場のドアノブも消毒します。

 団員の気持ちを一つにまとめるためには、演奏面のレベルアップも大切ですが、運営面で所属意識を持つことも大切だと思っています。やらなければならないことに、みんなで取り組む。そうすることで楽団自体が活性化していきますし、何より、みんなで一つの音楽をつくり上げていくことにつながります。私も抜けていたり忘れていたりすることがあるのですが、私が気付かないところで他の役員や係の団員がフォローしてくれます。皆さんの気配りにとても助けられています。

−−中には、子育てや親の介護をしながら活動している団員もいらっしゃいます。

 アマチュアオーケストラには、いろいろな立場の人がいます。仕事がすごく忙しい中で練習に駆け付けてくれる団員もいます。そんな一人一人の立場を理解することが、息の長い活動をしていくために大切だと思っています。延フィルのように人数の少ないオーケストラでは、楽器を演奏できる団員一人一人が、すごく貴重な存在です。事務局長としても、その一人一人の存在を大切にしながら楽団運営に当たっています。

 私自身、子育てをしながら続けてきました。延フィルが初めてオペラに挑戦した2009年1月の「魔笛」は、2人目の娘を産んで3カ月後が本番でした。上の娘はまだ3歳くらいでしたし、赤ちゃんのお世話の合間に個人練習もしないといけなくて、結構大変でした。そういう意味でも、あの時の「魔笛」が今までの演奏会で一番印象に残っています。

 皆さん、いろいろな事情を抱えていますが、日常を忘れて仲間とアンサンブルを楽しむ時間が心を充実させ、「よし、あしたも頑張ろう」という気持ちにさせてくれる。だから続けているのだと思います。「きょうも練習に来て良かった」と思えるからこそ、続けているのではないでしょうか。

−−ここ数年、アウトリーチコンサート(出張演奏)の依頼が増えているそうですね。

 そうです。「小さなコンサートを開いてほしい」「生演奏をしてほしい」という依頼が増えてきました。コロナ禍で、これまで依頼の多かった式典や会食を伴うパーティーでの演奏は、ほぼなくなりました。にもかかわらず、今年度は現時点で、すでに3件の依頼を受けています。地域の高齢者クラブから1件、延岡市民大学から1件、古希祝いのコンサートとして1件です。うれしいことです。

 これまでに2018年と19年に2回、延フィル主催のアウトリーチコンサートを開いています。そこで延フィルの存在を知った人が後日、個人的に依頼してくれて、そこからさらに広がってきているのではないかと感じています。依頼を受けたら必ずリクエスト曲をお聞きします。客層に合わせてプログラムの内容を検討し、楽譜を探して、演奏する楽器を決めていきます。4、5人で演奏することが多いですね。

−−コロナ禍で延フィルの活動も大きな影響を受けています。

 昨年のコロナ禍の1年で、音楽の存在の大きさをすごく感じました。活動自粛期間が何カ月もあり、自宅で個人練習をするしかありませんでした。「音楽は不要不急のものなのか」と何度も自分自身に問いました。こういう困難な時代だからこそ、芸術文化は人間らしく生きていくために大切なもの。改めてそう感じたのです。

 そんな中、知り合いの紹介でオンライン合奏に参加したことがありました。ピアノ伴奏の音源に合わせて演奏した録画データを主催者に送り、集めたデータをまとめて一つの曲にするという試みでした。出来上がった曲はいつもと同じように聞こえましたが、みんなで集まってアンサンブルすることとは少し違うなと感じました。

 音楽を楽しむ上で大切なことは、お互いの呼吸を感じてアンサンブルすることです。息遣いやアイコンタクト、相手の存在や表情を感じながら質を上げていきます。これはオンラインではできないことです。空気感はアンサンブルをする上でとても大切なのです。

 延フィルを支えてくれているのは県北の皆さん、市民の皆さん、そして賛助会の会員の皆さんです。支えてくれている皆さんに音楽を届けることが延フィルの使命であり、恩返しだと思っています。

 コロナ禍ではありますが、国内のプロオーケストラなどが、いろいろな検証実験の結果を論文として国に提出していて、国もクラシックのコンサートについては満席にしてもよいというガイドラインを発表しています。感染対策を取りながら演奏会を開くことは可能なのです。

 文化庁の都倉俊一長官も5月11日、「文化芸術活動は、断じて不要でもなければ不急でもありません」「文化芸術活動の休止を求めることは、あらゆる手段を尽くした上での最終的な手段であるべき」とのメッセージを文化庁の公式サイト上に公開しました。

 クラシックに限らず、イベントを主催しているどの団体も、苦渋の思いで中止や延期を決断されています。もちろんその判断は尊重すべきですし、感染対策を徹底して実施する判断も同じく、尊重されるべきだと思っています。

【プロフィル】
2002年4月、延岡フィルハーモニー管弦楽団に入団。13年4月から事務局長を務める。楽団の窓口であり、事務連絡や演奏会準備など運営全般を担う。団員に返事を求める時は「『はい』か『イエス』でお願いします」。担当楽器はオーボエ。高校1年生の娘はバイオリン(延フィルの学生団員)、中学1年生の娘はチェロを習う。43歳。延岡市岡富町在住。

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