警察犬育成、現場でも活躍

九州管区警察局長・井東さん（門川町）に感謝状−県警本部で伝達式

　門川町須賀崎の井東警察犬愛犬訓練所所長の井東照博さん（７２）が１５日、九州管区警察局長感謝状を受け、嘱託警察犬指導士として長年の功績がたたえられた。宮崎市の県警察本部で伝達式があり、佐藤隆司本部長が感謝状を贈った。

　刑事部鑑識課によると、井東さんは県警の嘱託警察犬指導士として、通算２０年の長きにわたり嘱託警察犬の育成・訓練に尽力するとともに、数々の犯罪捜査や事故現場などに出動するなど警察活動への協力に対する多大な功労が認められた。

　佐藤本部長から命を救う活動への感謝の言葉と、印象に残っている現場などについて聞かれた井東さんは、「行方不明者の捜索のたびに生存を願って出動するが、８０代の男性を無事に発見できたときはうれしかった」と笑顔で話していた。

　伝達式後、取材に応じた井東さんは受賞の感想を「お世話になった方々への感謝の気持ちでいっぱい」と述べるとともに、「行方不明者の捜索出動で生存発見した時は、一緒に連れた犬を抱いて喜んだ」と長年の活動を振り返った。

　警察犬の育成や訓練に当たっては「犬の持つ素質をいかに引き出してあげるか」を最重視。また、嘱託警察犬指導士として、「いかにより多くの警察犬を育て、次世代を担う指導士を育成するかを考えている」と職務への熱意を語った。

　「元気ですよ。まだまだやりますよ」と井東さん。「体は次第に老いていくと思うが、気持ちだけは前向きにいたい。どういった事案であるにせよ、今後も依頼があれば出動します」と元気に話していた。

　井東さんは、２００９年の第６３回日本チャンピオン決定審査会大会で日本一。嘱託警察犬指導士の活動以外にも、門川町交番連絡協議会員を２６年間務めるなど、地域の安全と平穏な地域社会づくりに取り組んでいる。