学校公演の人気者「めじろくん」−９月１８日、ホールで初公演

チケット販売中−延岡総合文化センター

◆故本田誠人さん脚本−鳥になりたい、あっくんの物語

　あんてなファミリー劇場「めじろくん」が９月１８日午後２時から、延岡市東浜砂町の延岡総合文化センター小ホールである。チケットを販売中。

　「めじろくん」は演劇ユニット「あんてな」（本田泉代表）が、県内各地の小中学校を巡る学校公演で２０１７年から上演してきた作品。本田代表の夫で、演出家、脚本家、俳優として活躍し、今年１月に膵臓（すいぞう）がんのため死去した誠人さん（延岡市出身）が脚本を手掛けた。

　怒られてばかり、大好きな鳥メジロになるのが夢のあっくんが主人公。自分で作った大きな羽を手に、空を飛ぼうと挑戦する。引っ込み思案で不器用な主人公の努力、挫折、見守る家族や友達らを通し、何を感じてどう成長するのか―。心温まるファンタジー。

　本田代表によると、１０人を下回る小規模校から大規模校まで、観劇した児童数は２０００人を超えるという。子ども向けに作った劇だが、大人が見ても楽しく、そしてほろっとくる内容。保護者からも観劇を希望する声が上がっていた。「いつか劇場でしたい」というのが、メンバーの夢だった。

　演劇の楽しさを知ってもらうことや演劇活動が盛んになることを目標の一つに掲げていた同センターと誠人さんとの出会いで開催が決定。昨年６月２８日の公演を予定し、準備を進めていた。誠人さんも夢がかなうことを喜び、「張り切って楽しみにしていた」という。

　コロナ禍で延期となったが、初めて体育館以外の場所で、親子や一般向けの公演が実現する。学校公演よりもさらにパワーアップした演出を用意しており、稽古を重ねている。

　昨年以降、「めじろくん」の公演をはじめ、子どもたちが楽しみにしているさまざまな学校行事が中止になっている。「ちょっとでもあしたが笑顔になるものにできれば」と本田代表。「演劇を見て、少しでも前向きな気持ちになってもらえれば」と意気込んでいる。

　チケットは高校生以上が大人券１５００円、３歳から中学生までは子ども券５００円。大人券と子ども券にそれぞれ該当する年齢の親子２人で鑑賞すれば割安の親子券は１０００円。０〜２歳児は膝上鑑賞として無料。当日券は３００円増しだが、前売券完売の場合は販売しない。問い合わせはのべおか文化事業団（電話延岡２２・１８５５）まで。