早期発見で感謝状－行方不明の祖母と孫

本紙掲載日：2021-08-27

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感謝状を手にする門川町消防団の江川団長（左）。右は日向署の垂水署長

感謝状を手にする（左から）日之影町消防団の工藤団長と髙見光一さん

県北３町消防団と髙見さん（日之影）へ－日向署

　日向警察署（垂水一洋署長）は、門川町内から行方不明となった祖母（当時６７）と孫（同４）の早期発見に貢献したとして、２３、２４日に同町など県北３町の消防団と髙見光一さん（６０）＝日之影町分城＝に感謝状を贈った。

　同警察署によると、２人は今月上旬、祖母の住む門川町内から、祖母の運転する車で出掛けたまま行方不明となり、翌日、美郷町北郷で車だけが見つかり、その後、孫は髙見さんが、祖母は３町合同の消防団が、それぞれ日之影町内の山中で発見した。

　２日間の捜索には、日向警察署と高千穂警察署から延べ約５０人、西臼杵広域消防本部から約１０人、門川町消防団から延べ約１７０人、美郷町消防団の北郷分団から約９０人、日之影町消防団から約５０人が出動した。

　このうち門川町消防団への贈呈式は２３日、同町役場であり、垂水署長が江川武光団長に感謝状を手渡した。垂水署長は「携帯電話の位置探査をはじめ、警察犬やヘリを出動させての捜索活動だったが、消防団の皆さんの活躍が奇跡的な早期発見につながった」と感謝。「行方不明者の捜索にかかわらず災害時などの有事には、土地勘のある地域の消防団の力が頼り。今後とも協力をお願いしたい」と求めた。

　これに対し、江川団長は「とにかく元気な姿で家族の元に帰したい。皆、その思いだけだった。今回は山をよく知る日之影町と美郷町の消防団に助けられた。２人とも無事で本当に良かった」と語った。同日は美郷町消防団の北郷分団（小田直樹分団長）にも感謝状が贈られた。

　また、日之影町消防団と髙見さんへの贈呈式は２４日、同町役場であった。

　髙見さんは当時、田んぼの用水を見に行ったところ、林業用の作業道に孫がうずくまっているのを発見した。救急車の手配を町役場職員に依頼し、「寒くないか。おなかはすいていないか」などと声を掛けながら、救急車との合流地点まで車で連れて行ったという。

　髙見さんは「普通のことをしただけ。無事で良かった」。工藤久則消防団長は「孫の証言が決め手となり、捜索範囲を絞ることができた。髙見さんにも感謝している」と語った。